南シナ問題で、比側代理人「判決順守、中国の利益」 2017/4/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「南シナ問題で、比側代理人「判決順守、中国の利益」」です。





 南シナ海問題で中国の主張を退けた昨年7月の仲裁判決で、フィリピン側の代理人を務めた弁護士のポール・ライクラー氏は日本経済新聞の取材に応じ「判決を順守して国際法秩序の安定を保つのが中国自身の利益になる」と訴えた。中国は判決を受け入れていないが、過去の裁判の経験から「判決を契機に中国が関係国と和解に動く可能性はある」と期待を示した。

 米国人のライクラー氏は、フィリピンが2013年、「国連海洋法条約」に基づき仲裁裁判所に提訴した裁判を担当。中国が定めた「九段線」という境界に基づく排他的管轄権の主張を退ける判決を勝ち取った。

 中国は審理を拒否し、仲裁裁を「操作されている」などと批判したが、ライクラー氏は反論。「世界最高レベルの法律家である裁判官5人が中国側の弁護を代行し、通常よりずっと難しい裁判になった」と振り返った。

 裁判では過去900年にさかのぼる記録を調査。国際法上、領有権や管轄権を主張するには南シナ海で歴史的に主権を行使し、周辺国も容認していた事実が必要だが「南シナ海は数百年間、西欧帝国主義の影響下にあり、中国の継続的支配はなかった」と説明。九段線の法的根拠を否定した。

 しかし、中国が受け入れないことで判決は漂流している。ライクラー氏は「海洋法条約の有効性に脅威を与え、国際法秩序にとって有害だ」と述べ、主権の主張を取り下げても「海洋開発で経済的・技術的な援助をするなど、周辺国と海洋権益を分け合うような和解は可能だ」と話した。

 「司法判断を無視すれば大国としての(中国の)イメージは傷つく」と指摘。「国際社会が声を上げ、中国にとって和解が国益になることを理解させる手段が有効だ」とも訴えた。

 フィリピンは昨年6月、対中関係を重視するドゥテルテ大統領が就任し、南シナ海問題での対中批判を抑制している。だが、ライクラー氏は「ドゥテルテ氏も判決を支持している」と話した。

(国際アジア部 木寺もも子)



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