南シナ海・鉄鋼巡り応酬 米中戦略対話 温暖化対策は協調 2016/06/07 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のグローバルBiz面にある「南シナ海・鉄鋼巡り応酬 米中戦略対話 温暖化対策は協調」です。





 【北京=原田逸策】米中が安全保障や経済の懸案を話し合う戦略・経済対話は6日、1日目の討議を終えた。南シナ海問題や中国の鉄鋼の過剰生産などでは双方が激しく応酬した。世界的な課題である地球温暖化対策を巡っては協調することで一致した。

 AP通信によると、ケリー米国務長官は開幕式の演説で南シナ海問題に関して「一方的な行動ではなく、法律や交渉、外交を通じて解決すべきだ」と中国に呼びかけた。一方、中国側は楊潔篪国務委員が、南シナ海問題における米国の介入を念頭に「当事者間の協議を通じた解決」を目指す方針を強調し、双方の主張の違いが改めて浮き彫りになった。

 またケリー氏は北朝鮮の核・ミサイル問題で「米中が対北朝鮮で足並みをそろえなければいけない」と述べ、挑発行動を続ける北朝鮮への圧力で中国の協力を求めた。

 経済分野で最大の焦点となる中国の過剰生産を巡っては、ルー米財務長官が「中国の鉄鋼やアルミニウムの減産が国際市況の安定に欠かせない」と減産を要請した。これに対し中国の楼継偉財政相は「金融危機後に中国が設備投資をしたときは世界は歓迎した」と批判するなど意見が対立した。

 ルー氏は開幕式での講演で「米国は中国が過剰生産能力と過剰債務を減らすのを支援したい。過剰生産能力は世界の市場をゆがめ、傷つける」と表明。経済討議の冒頭でも「(生産能力削減などを盛った)第13次5カ年計画はうまく実行されてはじめて効果が出る。計画をどう実行するかもっと聞きたい」と生産能力の削減を強く迫った。

 一方、楼氏は6日午後の記者会見で「いまの過剰生産能力は2008年の金融危機後に積み上がった。危機後の09~11年の世界の経済成長への中国の貢献は50%。大半は投資拡大によるもので当然、原料として鉄鋼を生産した」と指摘。「当時、世界中が中国に感謝した。米『タイム』誌の表紙は中国の農民工だった」と述べた。

 ルー氏がいらだつのは、習近平指導部が鉄鋼や石炭の減産や設備廃棄を度々打ち出す割に、実行が伴わないためだ。中国の4月の粗鋼生産量は6942万トンで1日平均の生産量は過去最高水準。鋼材の輸出量も4月は前年同月比6%増の908万トンで、鋼材1トンあたりの輸出単価は487ドル(約5万2千円)と同2割安い。中国の鉄鋼製品の海外への安値攻勢は変わっていない。

 意見対立が目立つ中、地球温暖化対策の国際的な新枠組み「パリ協定」の発効に向けて米中が協力することでは一致した。

 ケリー氏は環境問題への対応が「米中関係の最も大きな柱の一つだ」とも述べ、意見の違いが比較的目立たない分野では協調を演出した。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です