収益変調こう読む(3) 三井物産・松原圭吾CFO 原油安、来期利益を圧迫 キャッシュは安定、配当維持 2016/02/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「収益変調こう読む(3) 三井物産・松原圭吾CFO 原油安、来期利益を圧迫 キャッシュは安定、配当維持」です。





 ――資源価格の低迷が続いています。追加減損の可能性は。

 「2年連続で大きな損失を計上した。2015年3月期は米国のシェールやチリの銅などで790億円、今期も4~12月に同じチリの銅やオマーンの原油開発で391億円の損失を出した」

 「減損チェックは四半期ごとに厳しく行っている。基本的に当社の権益は取得時期が古く、生産コストも低い優良資産が多い。鉄鉱石はオーストラリアで1970年代から開発を手掛ける。後発組より競争力は高い。ただ、資源価格が高かった最近に取得した権益については懸念はある。減損は出尽くしかと言われると、断言はできない」

 ――今期の連結純利益は1900億円と前期比4割減り、来期の市場予想も同水準。業績はいつごろ改善しますか。

 「資源は来期も厳しい。海外のグループ会社との決算期のズレなどで原油価格は遅れて業績に反映される。約4割は1~3カ月遅れ、約3割は4~6カ月遅れだ。夏まで今の水準なら、来期いっぱい影響が続く苦しい収益環境になる」

 「鉄鉱石では需給ギャップはむしろ17年にかけて拡大が続くだろう。リーマン・ショック後の中国の4兆元経済対策による過剰設備が重い。需給が均衡するのは20年ごろとみている」

 ――それでも資源を中心に据える戦略に変更はありませんか。

 「資源投資には国益も含めた長期的な視点が必要だ。資源ビジネスをやる以上、市況にさらされるのは当然。足元の価格に左右され、長期の戦略が動じることはない」

 「むしろ逆境を肥やしにしていく。優良な資産を積み増す投資は続ける。価格下落から1年から1年半たち、資金面で苦しくなった企業が優良資産を手放す動きも出始めた。冷静かつ厳しく、ではあるがポートフォリオを良質化する投資は検討していく」

 「非資源分野の強化も急いでいる。赤字が続くブラジルの農業子会社は穀物集荷だけでなく搾油など加工まで手掛けるよう他社との提携を検討する。力を入れるメディカル・ヘルスケア事業では、出資したアジア最大の病院グループ、IHHヘルスケアのインドやトルコへの進出を支援して拡大を進めている」

 ――年間配当は64円の計画で配当利回りは4%台後半に達します。業績悪化で減配の懸念はないですか。

 「減損は資金流出が生じないため、株主還元の原資となるキャッシュの問題はない。純粋に営業活動からあがるキャッシュフローは4~12月に4215億円と依然高水準だ。17年3月期までの3カ年中期経営計画で掲げた、資産売却による資金回収も含め2兆6000億円の資金を創出する方針は維持できている」

 「中計で最低30%とした配当性向は、業績下方修正の結果、今期は6割に達する。それでもキャッシュフローの枠組みが崩れない限りは、配当性向に機械的にこだわらず継続性を重視して配当に回していく」

(堤正治)



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