固定電話、全国一律に NTT東西がIP化 24年1月に3 分8.5円データ回線移行、対策急ぐ 2017/10/18 本日の日本経済新 聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「固定電話、全国一律に NTT東西がIP化 24年1月に3分8.5円データ回線移行、対策急ぐ」です。





 NTT東日本とNTT西日本は17日、固定電話をインターネット技術を使ったIP電話に切り替える工程表を発表した。2024年1月から1年かけて切り替え、料金も現在の距離別から全国一律に改める。固定電話のIP化は世界でも前例がない。NTTは企業ユーザーを含めて混乱が起きないように移行対策を徹底する方針だ。

NTT東西はIP網への移行スケジュールを発表した(17日、都内)

 IP電話の通話料金は全国一律、3分8.5円とする。これまでは通話先が長距離になるほど料金が高くなっていたため、大幅な値下げとなる。60キロメートルを超える通話料で約8割安くなる。

 通話先によって利用者が電話会社を選べるマイラインは廃止される見通し。NTT東西はマイラインの代替サービスを検討する。

 過去にはインターネット回線を使ったIP電話の品質悪化が指摘されたこともあった。だがNTT東西が光回線上で提供しているIP電話は、音声通話を優先的に伝送する仕組みなどを導入し、品質を確保している。NTT東西は、固定電話網のIP化によって新たに提供するIP電話も、同様に固定電話並みの品質を確保するとしている。

 世界的に通信の主役は固定電話から携帯電話に移り、契約者が減り続ける固定電話網をいかにして維持するかが課題となっている。日本国内の固定電話の契約数はピーク時の1997年度に6322万件あったが、現在は約2100万件まで減っている。

 海外でも固定電話をIP化する機運はあるが、主要国で成功した事例はない。英国の大手通信事業者BTが固定電話網のIP化を計画したが、頓挫した。「光回線への切り替えを狙ったが、利用者の同意が得られなかった」。海外の事情に詳しい情報通信総合研究所の岸田重行上席主任研究員は指摘する。

 NTTが固定電話のIP化を急ぐ背景には、維持コストの増加がある。交換機の販売がすでに終了し、交換部品も少なくなっている。NTT東西は交換機を安価なIP対応機器に切り替えることで、将来のコスト負担軽減を狙う。

 IP化後も新しい電話機の買い替えは必要ないなど、「利用者にとって追加負担は発生しない」(NTT東西)。ただ、法人顧客の一部には影響が出る可能性がある。

 NTT東西はIP化と同時に総合デジタル通信網(ISDN)のデータ通信の提供を終了する。ISDNは、幅広い業界で企業間の受発注データをやり取りする「電子データ交換(EDI)」の回線に使われている。情報サービス産業協会の藤野裕司EDIタスクフォース座長は「ISDNの終了でEDIが正常に動作しなくなる恐れがある」と指摘する。

 24年までにインターネットなどへのEDIの切り替えが必要だが、EDIがISDNに依拠していることを知らない企業は多い。「このまま十分に移行準備ができなければ、企業活動に混乱が生じかねない」(藤野氏)。そのため、NTT東西は11月上旬から固定電話サービスの請求書にお知らせを同封し、周知活動を開始するほか、新聞広告やテレビ広告による告知も計画する。

 固定電話の契約数は24年ごろには1000万件程度まで減るとの予測もある中、増え続ける維持コストの低減に道筋をつけたNTT東西。今後は新たな収益を生み出す事業創出が課題となる。



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