地銀異変(2) 時限爆弾と分かっていても 2018/06/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「地銀異変(2) 時限爆弾と分かっていても」です。





6月21日、東京・日本橋室町の高級ホテル「マンダリン オリエンタル東京」。オランダの石油商社、ビトルが資金を調達するために開いた事業・財務説明会には、50近い金融機関の関係者が参加した。豪華な料理や飲み物を用意した懇親会もセットになった会で、ビトルの財務担当者は「うちは優良企業です」と誇った。6月には、豪空港運営会社やオセアニアの電力会社なども同様の会を開いた。「少し前にはなかった豪華さだった」とある地方銀行の幹部。

バブル期に不動産融資を一手に担った地銀の東京支店・事務所。いまは外貨建て融資にもまい進している。百五銀行の東京営業部は、外貨融資を1400億円とし、この3年で2倍に増やした。体制は17人のままで、1人あたりの貸出額は地銀で最大だ。山口銀行も30人弱で外貨融資を2200億円と2倍に増やした。厳しい運用環境下で、外貨建て融資は稼ぎ頭のひとつ。地銀全体の東京拠点では1.6兆円と3年で3割増えた。

「正直、何がどう書いてあるのかよく分からない」。西日本に拠点を置く地銀の担当者は最近、英語表記された決算書や契約書を前に頭を抱えていた。メガバンクが募った海外企業への協調融資だが、内容を正確に分析・把握できない。「リスクをどうみてますか」と他行の担当者にも感触を探った。結論は「メガバンク案件だから大丈夫だろう」。りんぎ書を起案した。

「本部は実態をどこまで把握しているのか」。地銀の東京拠点で働く社員は6月、危うい状況に声を潜めた。海外企業の中には信用度を裏付ける格付けを持たない企業も多い。1行で数十億円を融資する地銀もあり、1社が焦げ付くだけで経営に響く「時限爆弾」だ。

「不採算な都市部融資の代替策」。国内で過度な金利競争に苦しむ中国銀行は、外貨融資に力を入れた。17年度の外貨融資残高は1000億円増の3600億円と過去最高を記録。ところが同年度は資金利益が逆に15億円減った。外貨の調達コストの上昇が多くの利益を吹き飛ばした。市場動向に振り回されやすいのに、追随する地銀が後を絶たない。

金融庁は「危うさを指摘したのに同じことを繰り返す」といら立つが、老舗地銀の幹部はこう反論した。「国債運用と地域融資という収益源を失った。リスクを取らなければ生きていけない」



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