夏休みで一気に 私の英語上達法 2015/07/28 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「夏休みで一気に 私の英語上達法」です。

いろんな方がご自分のライフスタイルやし好に合わせた英語学習方法を開発されており、非常に興味深い記事です。





 グローバル化が進み、英語を学ばなければならないビジネスパーソンが増えている。楽天が英語の社内公用語化を打ち出した2010年以降、英語能力テスト「TOEIC」の受験者数は急増している。一方で勉強が続かない、英語がうまく使えないとの嘆きも多い。そこで、留学経験のない「国内勉強派」4人に、夏休み中に一気に上達が見込めるオススメ勉強法を聞いた。

初級 著名人の英語講演聴く

 受託臨床検査大手のLSIメディエンス、大田正規さん(30)は大学院時代のTOEICは400点台だった。入社後も英語に縁がなかったが、2月から半年間、会社でアルク教育社の英語研修を月に1度受講することになり「英語の勉強に目覚めた」と話す。研修を始めて3カ月でTOEICは720点になり、社長の欧州出張に同行することが決まった。

LSIメディエンス 大田正規さん

 今はもっぱら片道1時間45分の通勤時間を使い、スマートフォンで英語による著名人の講演会「TED」を聴いている。5分程度の短い講演も多く、長くても20分程度で終わるので「集中力が途切れない。夏休みにもお薦めだ」という。

 テーマを見て「おもしろそうだな」と思った講演を選び、3回聴く。最初は英語の字幕をつけ、次は字幕なしで、最後は日本語の字幕をつけて。英語研修の講師から聞き取りやすいと米ポップスデュオ、カーペンターズを薦められたが、「まだ英語の歌詞を完全には聞き取れない」との不安も残る。

 大田さんは今、ドーピング検査の研究に取り組んでいる。LSIメディエンスは世界反ドーピング機関公認の国内唯一の検体分析機関で、2020年の東京五輪・パラリンピック時に海外から多くの研究者が集う予定だ。「それまでに英語で専門用語を交えて会話できるようになっていたいし、そうならなくてはいけない」と語気を強める。

初級 人気漫画の英語版読む

 ケーブルテレビ最大手、ジュピターテレコム(JCOM)の笠原悠さん(27)は学生時代に英語ができる友人がまわりに多く、コンプレックスを抱いていたという。いまはグローバル化が進み英語が必要といわれている時代だ。考えを改め「大人のやり直し英語」をうたう書籍を買ってはみたものの、身についた感じがしなかった。

ジュピターテレコム 笠原悠さん

 英語コンプレックスに苦しんでいた笠原さんに光明が差し込んだのは、英語の漫画本を読んだことがきっかけだ。日本の人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」や「NARUTO―ナルト―」の英語版のセリフと絵とを一緒に読むことで「ストーリーがわかり、うれしい気持ちが自信につながった」。

 音感がいい人には、妻の英語学習法が参考になるかもしれないとも助言する。徹底的に音から入るやり方だ。あらゆるジャンルの洋楽を聴き、発音や単語の意味を学ぶ。1年前に2人で海外に出かけたときには、彼女の方が流ちょうだったと話す。

 実は会社から国際的な情報セキュリティーの専門資格「CISSP」の取得を勧められた。これまで以上に英語を勉強する必要が出てきたので、オンライン英語講座「グローバルイングリッシュ」を始めた。「今は仕事帰りにカフェで勉強することが日課」と笠原さん。今年の夏休みは英語の漫画本を読んだり、講座を復習したりする時間に充てるつもりだ。

中級 手書きカードで猛特訓

 邦銀、米監査法人を経てファーストリテイリングに入社した神保拓也さん(34)。できれば英語を使わないで過ごしたいと思っていたが、日本語だけでは限界を感じていた。

ファーストリテイリング 神保拓也さん

 ファストリでは、会議で1人でも日本語を母語としない社員がいると、英語で話すルールができた。このためいいたいことがいえない。「オブザーバー状態であまりにもどかしく」英語を勉強すると腹を決めた。

 数カ月前から行き帰りの通勤時間にNHKラジオ講座では最も難しい「実践ビジネス英語」を聴いている。能力以上のレベルにしたのは、モチベーション維持のためだ。入門編の英語がわからないと気持ちが萎える。段階を追って勉強すれば時間がかかる。「だったら短期間に最高峰を乗り越えようと考えた」

 今は会議で外国人が話す内容の85%は理解できる。TOEICは20代半ばの600点から880点に上がった。

 もう一つ取り組んでいるのはカードを使った独自の単語・会話勉強法だ。表に書いた日本語を3秒以内に英語で話し、裏の英語と見比べる。間違っていたら「留年ボックス」に入れ翌日も試す。正解なら「卒業ボックス」に。名付けて「イングリッシュ・ユニバーシティー」だ。

 「まとまった時間がとれる夏休みはカードの手書き時間に充ててはどうか。我が子のように思えて『卒業』まで面倒を見たくなる」とほほ笑む。

上級 目的持ち勉強法を考案

 英語を学ぶには「自分の欲望に忠実な勉強法」に尽きる。コンサルティング会社、アクセンチュアに勤める小田麻奈美さん(30)はこう言い切る。何がしたくて英語を学ぶのか、という目的をかなり具体的に想定して勉強しないと続かない。「あとはそれに向けて、最もふさわしい勉強法を自分でプログラミングすればいい」

アクセンチュア 小田麻奈美さん

 小田さんは昔、ある団体の海外派遣に参加したいと考えた。最低基準はTOEIC900点以上。応募までの1カ月間で目標点を取るため、やるべきことをすべてリストアップした。

 過去の問題集に加え、単語や熟語は「DUO3.0」、会話は「英会話・ぜったい・音読」といった教則本を使い、900点を突破した。残念ながら選には漏れたが、このときに基礎力がついたと振り返る。

 英語力を高めるために、プレゼンテーション前に関連している英単語をリストアップして覚え、想定される質問項目をシミュレーションしながら答えている。米国で調査する際に必要な単語を選び、ノートの左側に日本語、右側に英語を書いて一気に覚えた大学院時代の方法は今も続けている。

 今は、海外拠点と連携した世界規模のプロジェクトを増やすことを目標にしている。そのためには「海外ニュースを見聞きするなどして、専門的な英語も駆使できるようになりたい」と話す。

(1)慣用表現50個覚える(2)シーン別に表現蓄積(3)専門の語彙増やす 田中茂範・慶大教授がコツ伝授

 日英両語が当たり前に使われるグローバル企業の現状にあわせ、日本独自につくり上げたのが「グローバルコミュニケーション能力認定試験」(GC認定試験)だ。試験を監修した慶応義塾大学の田中茂範教授(英語教育学)に、短期間で英語力を引き上げる方法を聞いた。

 ――英語に苦手意識を持っているビジネスパーソンが多いようです。

 「英語はcanかcan’tではなく、doかdon’tで考えるべきだ。自分の持っている英語力で話すという覚悟を決めることがまず大事になる」

 ――初級レベルのよい勉強はありますか。

 「まずは慣用表現を使いこなせるようにする。これを使えば自分の言いたいことを的確に、しかも簡単に表現することができる。夏休みなら50個、状況とともに覚えてみよう。たとえば『ひどいじゃないか』という意味の“How could you?”なら、上司から理不尽なことを言われた状況を思い浮かべながら覚えるといい」

 「加えて基本動詞の意味を改めて確認する。breakは壊すのほか“break one’s bread”なら『パンをちぎる』という意味になる。『力を加えて形や流れを壊す』という意味があるとわかれば、いろいろな表現ができるようになる」

 ――中級向けではどうでしょう。

 「自分の生活シーンのつぶやきを英語にしてデータベース化するとよい。息子のお弁当を作るのはmake his lunchだか、忙しくて作るのがストレスに感じているときは“Why do I 

have to make his lunch?”と表現できる。データベースが豊富になれば、会話や文章を書くときに楽だ」

 ――上級者も磨きをかけるには。

 「専門分野の語彙を増やすことが必要になる。有効なのは日本語のテキストに英単語を書き込む方法だ。日米首脳会談後の共同声明なら、日本側の発表文書にある『(普天間)移設』の箇所に、米国側の文書にある単語relocationを添える。日本語のリポートを外国人の上司に英語で説明するといったバイリンガルな環境では、日本語の文脈で覚えるのが効率がいい」

(聞き手は編集委員 木村恭子)



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