外国人材と拓 下支えの実相(3) 留学生、矛盾抱えた戦 力「もっと働かないと」 2017/10/18 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「外国人材と拓 下支えの実相(3) 留学生、矛盾抱えた戦力「もっと働かないと」」です。





 100万人を超える外国人労働者の中で、技能実習生と並んで留学生が急増している。約21万人に上り、5年前の約2倍に増えた。アルバイトでいわゆる単純労働の分野を支えている。

コンビニなどが人手確保の受け皿としている(東京都新宿区の店舗)

 都内の日本語学校に通うミャンマー出身のス・ライさん(28)は、老人ホームに加えてコンビニでも働き始めた。アルバイトに費やすのは規定ぎりぎりの週28時間。「それでも生活費が足りないので親の仕送りでやりくりしている。本当はもっと働かなきゃいけない」

 学業目的でビザを得る留学生の労働は「資格外行動」で週28時間以内に制限される。だが、学費や生活費を自分で賄う理由で違反する人もいる。28時間を超えて働くネパール人留学生のハサン・ヤーダブさん(仮名、24)は「制限がきつすぎる。少しぐらい許してほしい」と声をひそめる。

 バイト先に困らないのはコンビニや飲食業界などが人手確保の受け皿としているからだ。技能実習制度は職種や受け入れ企業に制約があるが、留学生にはそれがなく雇い入れの自由度が高い。

 留学生急増の背景には日本での学業や就職だけでなく滞在中に「高賃金」で働ける魅力もある。日本語学校はここ10年で200以上増え600校を突破。2016年度の学生数は6万8165人で前年度比21%増えた。

 学生は2種類にわかれる。技術・知識取得や就職のため専門学校や大学に進む留学生と、授業をそっちのけで働く「出稼ぎ留学生」だ。

 2月から福岡県内の日本語学校に通うネパール人留学生のラム・ライさん(仮名、27)は「日本で稼げるだけ稼ぐ。帰って裕福に暮らしたい」と言い切る。コンビニなどで週60時間働き、学校には毎日1~2時間顔を出すが「建前上、行かないといけないからだ」。

 沖縄県内のある日本語学校の幹部は「出稼ぎがかなり含まれている」と打ち明ける。出稼ぎ留学生は来日するために借金し、出身国の業者に多額の仲介料を支払う場合がある。週28時間を大幅に超えて働かなければ、来日の目的が果たせない。政府は日本語学校や企業に監視を促すなど防止や取り締まりを進める。

 出稼ぎ留学生の存在は人手不足の地域や企業のニーズの副産物といえる。経済協力開発機構(OECD)によると、主要国のアルバイトの時間制限は「週20時間程度」が多く、そもそも日本の「週28時間」は最も長い。

 留学生が学費を自分で賄おうとしたり社会や企業と接点を持って就職につなげたりするのは大切なことだ。ただ、国内で留学生が外国人労働者の一翼を過度に担うようであれば、あまり健全な姿とはいえない。

 政府が単純労働を目的とする外国人を原則受け入れていない中、若い労働力を確保するためのびほう策にすぎない。今後も増えそうな「働く留学生」は、外国人材受け入れのひずみを映し出している。



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