大学院でMBA(1) 定年はまだ遠い、鍛え直そう 厳しい面接乗り越え挑戦権 2015/07/22 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のくらし面にある「大学院でMBA(1) 定年はまだ遠い、鍛え直そう 厳しい面接乗り越え挑戦権」です。





 「定年は近そうで遠い」。50歳を前に痛感した。入社当時の想定より定年延長でゴールは遠のいた。長年の経験や知識を駆使し、目の前に来る仕事をどうにかこうにかさばいているが、年下の上司・同僚の視線が「おい、手を抜くなよ」と冷たく突き刺さる。「もう一度、鍛え直すか」。2012年夏、経営学修士(MBA)取得をふいに思い付いた。

法政ビジネススクールが7月に開いた説明会。進学希望の社会人らが多数参加した(東京都千代田区)

 大学は理系。経済を標榜する新聞社で四半世紀働いてきたものの、経済も経営も体系だって学んでいない。知識は高校の「政治・経済」止まり。それがずっと後ろめたかった。海外留学は無理でも、国内MBAなら働きながらも挑戦できる。社会人向け大学院・ビジネススクールは案外多い。仕事と両立できるように平日の夜間や週末に授業を開いている。

 資料を取り寄せ比較開始。まず驚いたのは学校ごとの学費格差だ。総費用は下は国産コンパクトカー1台分から上は高級外車1台分まで。ざっくり分けると前者は昔からある経営学大学院で学術研究を重視する。後者は会社の中枢を担う実務者養成を目的とした専門職大学院だ。その分、カリキュラムは実践教育が中心で、平日もほぼ毎日通わなくてはならないなどハードルも高い。やり遂げる自信はなく専門職大学院は候補から外した。

 いくつかの説明会に参加し、法政ビジネススクール(大学院経営学専攻夜間コース)に狙いを定めた。授業料は年間53万円。決して安くはないが、へそくりやボーナスをやりくりすればギリギリまかなえる。何よりも教育内容が関心に合致した。女性活躍やパート・派遣社員の活用など雇用制度や働き方に関心を長年持ってきた。同スクールには企業の人事施策を専門に学ぶ人材・組織マネジメントコースがあった。

 さらにありがたかったのは上司の推薦状を出せば英語の筆記試験が免除されること。進学を考えてから、昔の参考書を引っ張り出して勉強し直していたが、50歳間近の頭に受験勉強はきつすぎた。「仕事量に配慮はいりません」「仕事を優先します」。上司に相談するとあっさり推薦状を書いてくれた。

 面接試験はその年の12月上旬。何を学びたいのかを研究計画書として提出し、その内容を7人の教授が問いただす。記者は「女性活躍が企業経営に与えるプラス効果の探求」を提案していた。「プラス効果なんてあるか」「何をもってプラスと判断するのか」。およそ10分間厳しい質問にさらされるも無事合格。MBAへの挑戦権をどうにか得た。

(この連載は石塚由紀夫〈51〉が担当します)

〈私は…〉学生時代は向学心とは無縁。消極的な出席より積極的な欠席がモットーで成績表の「優」は片手に満たなかった。



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