大学院でMBA(3) 同期の企業人の本音聞けた 解決策導くヒント学ぶ意義 2015/07/23 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のくらし面にある「大学院でMBA(3) 同期の企業人の本音聞けた 解決策導くヒント学ぶ意義」です。





 法政ビジネススクールは会計や企業家養成、人事など5つの専門コースに分かれている。記者が入学したのは人材・組織マネジメントコース。経営の三大要素「ヒト」「モノ」「カネ」のうち「ヒト」に焦点を絞って人事施策や組織のあり方を考える。13年春に同コースに一緒に入学した同期生は5人。3人が企業の人事部門勤務で、人材会社勤務と大学職員がそれぞれ1人という構成だった。

人事制度論の授業風景。実務経験を基に組織のあり方を議論する(東京都千代田区)

 授業で頻繁に顔を合わせるのでコース内のメンバーとは自然と親しくなる。「優秀な女性は多いけど働く意欲は男性に劣る」「子育て中の社員の仕事は独身女性が補う。最近出産が増えてきて独身女性の反感・反発は相当強い」。取材で正面切って会う人事担当者がなかなか漏らさない本音が聞けて、仕事にも生かせた。

 様々な職場のいろいろな立場の実務者が本音を語り合うのは社会人ビジネススクールの最大の魅力だ。かつて受けた授業を先日久しぶりにのぞきに行き、改めて感じた。

 「社員間で不平等が生じている手当を人事は見直したいけど、手取りが減る社員が反対して提案を拒否されそうです」。法政ビジネススクールの人事制度論の授業で7月上旬、奥西好夫教授と受講生9人が意見を交わしていた。テーマは人事制度の効率性と公正性。教授が先に学術的な理論を紹介し、その後にディスカッションに移る。ビジネススクールの一般的な授業スタイルだ。

 受講生は企業の人事担当者や社会保険労務士、公務員ら。それぞれの身近な事例を引き合いに経営学の理論を俎上(そじょう)に載せる。今春入学した薄井昭子さん(36)はベンチャー企業の管理部勤務。「中には仕事上ではなかなか接点が持てない上場企業の役員もいる。同じ学生の立場で対等に議論できるので刺激になる」と話す。

 経営学の様々な理論も新鮮だった。なぜ女性管理職が少ないのか? なぜシニア層は働き以上の賃金を得ているのか? 漠然と感じていた疑問に答える理論がちゃんとある。ただし問題の解決策を経営学は指し示しはしない。環境や戦略、産業、国の雇用制度などにより組織のあり方は多様なので、問題に共通する最善の答えはないからだ。

 「答えがないなら、経営学を学ぶ意味なんてないですね」。入学して間もないころ、人事制度論の授業で奥西教授にかみついたことがある。ビジネススクールでは経営を成功に導く秘訣が学べると勝手に誤解していたからだ。「唯一の解はないが、働く人の行動に全く法則性がないわけでもない。知見も日々蓄積されており、解決策にたどりつくヒントを学ぶ意義はある」とやさしく諭された。

年上だろうと年下だろうと授業では対等に意見を交わす。入社年次が発言力を決める会社組織とは別物だ。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です