大機小機 わが国高齢化の本当の課題 2017/7/8 本日の日本 経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合面にある「大機小機 わが国高齢化の本当の課題」です。





 内閣府が毎年行っている世論調査では、若者の現在の生活に対する満足度は8割を上回る高い値になっている。それはバブル期や高度成長期をも上回っているとのこと。ところが将来に明るい希望を持っているかとなると、日本の若者がそう答える割合は諸外国に比べると極めて低い。

 これから少子高齢化が急速に進む日本の本当の問題がここにある。若者が夢を持って活躍するようでなければ、経済はじり貧になり国民生活も貧しくなるばかりだからだ。

 若者の夢については、フェイスブック創設者のマーク・ザッカーバーグ氏が、先日、母校のハーバード大学の卒業式で行ったスピーチが興味深い。

 ザッカーバーグ氏は、自分は多くの起業家を見てきたが、同時に、失敗したときに路頭に迷わないだけの備え(クッション)がないために夢を追うことを初めから諦めてしまう人もたくさん見てきた。そこで自分は、誰もが新しいことに挑戦できる社会にするために、失敗した時の備え(クッション)としてベーシックインカムのような制度を検討すべきであると考えている、というのである。

 失敗した時のことを恐れ夢を追うことを諦めてしまう若者が多いのは、米国よりも圧倒的に我が国だろう。だから冒頭の世論調査のような答えになるのだ。

 人生100年時代といわれるようになり、世界中の人々が人生の途中で職を替えることが当たり前になってきた。ところが、そんな時代に日本の若者だけが失敗を恐れて社会に出たらとにかく無難に過ごすことで満足してしまうというのでは、日本の将来は暗い。

 最近は、我が国でも子育て支援についてはコンセンサスができてきた。誰もが、高齢者になれば、今日の子供たちに支えられるのだからというわけである。

 しかしながら、高齢者が今日の子供たちにしっかりと支えてもらうためには、子供たちが若者になったときに夢を持って活躍し、日本をしっかり発展させてくれなければならない。そのために、ベーシックインカムかどうかは別として、若者が夢を持って活躍することを支える仕組みを作ることが必要だ。そのために国民的なコンセンサスを創り上げていくことが、これから迎える高齢化への本当の課題だ。

(唯識)



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