大機小機 グローバル化は終わらない 2016/12/14 本日の日 本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合面にある「大機小機 グローバル化は終わらない」です。





 英国の欧州連合(EU)離脱決定、米大統領選でのトランプ氏の勝利は、1980年代以来、アングロサクソンの理念のもとに、米英中心に推し進められてきたグローバル化が転機を迎えたことを意味する。

 欧州でも、ポピュリズム(大衆迎合主義)政党が反グローバル化、保護主義を掲げて支持を伸ばし、来年に欧州で相次ぐ国政選挙での大躍進が予想される。反グローバル化の勢いは強く、グローバル化は風前のともしびのようにみえる。

 中国の習近平国家主席は、ペルーでのアジア太平洋経済協力会議の席上、中国はグローバル市場を必要とするすべての国を支援する用意があると言明し、危機にひんするグローバル化の救世主を買って出た。

 だが現実に危機を救えるのは、市場経済への転換が遅れ、国営企業に問題を抱える中国ではない。21世紀経済の一大テーマである第4次産業革命と、それを推し進める数百万の企業だ。

 もっとも第4次革命は目下、問題を抱えている。イノベーションの聖地、シリコンバレーの技術革新は外国人技術者によるところが大きい。

 だがトランプ次期米大統領は、外国人技術者が米国で働くのに必要な非移民就労ビザの原則廃止を公約にした。地球温暖化の否定や、IT(情報技術)企業への敵対的言動など、トランプ氏には科学への理解が欠けている。この状況では、米国の技術革新や第4次革命への影響が懸念される。

 しかし、一方では世界各地に第2、第3のシリコンバレーが誕生している。技術革新が世界的に停滞することはないだろう。

 世界経済フォーラムは世界各国のイノベーション能力を指数化している。上位国の順位は、スイス、イスラエル、フィンランド、米、独、日、スウェーデン、オランダ、シンガポール、デンマークとなる。多くは経済小国だが、「産官学」の連携、研究機関の質、教育水準の高さが評価されている。こうした国の研究機関は技術革新を求める世界の様々な企業と提携し、資金援助を受けている。

 今後3~4年の間に世界中で技術革新が加速度的に進む。第4次革命の大波を起こして偏狭な国家主義・保護主義をのみ込み、これまでとは理念も方向性も異なる新しいグローバル化が始まるだろう。

(逗子)



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