大機小機 シェアリングエコノミーと税制 2017/2/23 本日 の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合面にある「大機小機 シェアリングエコノミーと税制」です。





 2月5日付本紙によると、規制改革推進会議は「ライドシェア」の解禁を検討しているとのことだ。記事によると、ライドシェアは一般のドライバーが料金を取って自家用車で利用客を送迎するサービスで、急増する訪日客の交通事情への対応が背景にあるとみられる。

 個人が持つ遊休資産(スキルなどの無形資産も含む)を使うサービスは、遊休資産の活用による収入を貸主にもたらし、借り主の利便性も高まる。こうした新たな価値を生み出す「シェアリングエコノミー」は国際的に注目されている。一方で、そこで働く人々の労働法規や社会保険料の問題が指摘されているが、税制にも対応すべき多くの問題があり、同時に検討を進める必要がある。

 世界で活動し、日本でも試行実験が始まっている配車サービスのウーバーテクノロジーズを例にとり、税制の課題を考えてみたい。

 所得税の課題としては、いかに徴税コストをかけずに公平に課税するかという点である。自家用車でウーバーの運転手をして所得を得る人の情報をどう集めるのか、ウーバーに源泉徴収義務を課すのかなどの問題だ。また被雇用者(サラリーマン)と個人事業主の線引きが曖昧になり、給与所得と事業所得の区分の問題に発展しかねない。

 消費税の課題としては、運転手は免税事業者なのか、ウーバーが消費税の納税義務を負うべきではないかなどの問題が生じる。

 より難しいのは法人税だ。ウーバーは、インターネットで配車するというプラットフォームを提供する会社で、ネットが発達した時代に国内に法人をつくる必要はなく、課税のとっかかりとなる子会社や支店を置かずに商売でき、法人課税を逃れられる。

 現に米アマゾン・ドット・コムは日本の消費者を相手に大きな利益を得ているが、日本で1銭も法人税を払っていない。米国に本社を置くウーバーは、タックスヘイブン(租税回避地)のオランダに中間持ち株会社をつくり、そこに無形資産を移して欧州でビジネスを展開しているようだ。

 現行の税制度はシェアリングエコノミーに追いついていない。ニュービジネスの芽を摘むことなく、適正公平な課税の検討を国際社会と連携しつつ進める必要がある。

(ミスト)



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