大機小機 中国株バブルは崩壊するのか 2015/06/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「大機小機 中国株バブルは崩壊するのか」です。





 海外投資家の間で中国株バブルを懸念する声が強い。年初来の上昇率は上海総合指数が約60%、深圳の「創業板」指数は約2.5倍になった。

 中国の昨年の国内総生産成長率は四半世紀で最低の7.4%を記録し、今年は6%台に落ちる可能性が高い。実体経済と株価の乖離(かいり)は広がっているが、株式市場の売買高で約8割を占める個人投資家の強気姿勢に変わりはない。

 1980年代の日本では、米社会学者エズラ・ボーゲルの著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が国民に強い自信を植え付けた。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)無視の株高も経済大国の国力相場とみなされ、株価収益率は平均で60倍を超えた。しかし89年末を最後に株価バブルが崩壊し、日本経済は長い低迷期に入る。

 中国が同じ道を歩む懸念はあるが、経済状況には違いがみえる。中国経済は2011年までの33年間に平均10%の成長率を達成し、経済活動に不可欠な電力供給能力は米国を上回った。先進国に追い付くための高度成長は必要でなくなり、政府が掲げる新常態経済への転換と改革に必要な反腐敗運動を国民は強く支持している。5%程度の成長が続けば今後10年で中国の経済規模は米国を追い抜く。

 長期安定成長には、史上最大の経済プロジェクト「一帯一路」構想の実現がカギとなる。これを金融面で支援するアジアインフラ投資銀行の設立メンバーは57カ国になり、資金量は約千億ドルといわれる。アジア、中東、ヨーロッパにまたがり、総人口で40億人を超える巨大経済圏の構築が実現すれば、21世紀は間違いなく中国の世紀になる。

 経済の先行きへの期待を背景に個人投資家が株高を支えているが、政府も株高維持を重要政策とし、規制緩和や利下げで支援している。しかし中国株は売買高で世界1位、時価総額では米国に次ぐ世界2位となり、株価の崩壊がグローバル金融危機をもたらす可能性は極めて大きい。

 政府は保有株放出や信用取引規制の強化などで市場を巧みにコントロールし、熱狂する個人の行動も政府の手の内に収めている。新常態経済のもとで、時に波乱となってもバブル崩壊を避け、長期では上昇が続く可能性はある。

(逗子)

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