大機小機 新日米対話の勘定書き 2017/2/16 本日の日本経 済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合面にある「大機小機 新日米対話の勘定書き」です。





 結果だけをみれば、さきの日米首脳会談は日本にとって出来すぎの内容だ。トランプ砲の直撃を避ける日米経済対話を新設し、安全保障で米国との連帯継続という満額回答も得た。

 米は財務長官も商務長官も正式就任前の段階。「意外とまともなトランプ像」を示す思惑もあったはず。安倍晋三首相の芝生上での国際政治の指南も効いた。

 出発点が良すぎるからこそ、今後は大変だ。

 懸案を「丸投げ」した日米の経済対話は3つの分野を話し合う。まず財政・金融のマクロ経済政策、第二に経済協力、第三に2国間の貿易体制である。麻生副総理・財務相とペンス副大統領のナンバー2同士が仕切る以外、詳細は不明だ。

 2番目の経済協力は歩み寄りやすい。新幹線やリニアの技術をトランプ大統領が褒めたのも「雇用増」の果実が見えるからだろう。

 問題は残りの2つだ。双方で利益を得るウィンウィンを唱える日本の主張と「米国第一」で2国間交渉による有利な条件を勝ち取ろうとする米国のゼロサム思考は衝突する。

 特に財政政策と金融政策の協調は難問になる。米国の経済が勢い付いてドル高が続き、日本に円安の恩恵が及べば、デフレ早期脱却を目指す日本には望ましい展開。だがトランプ政権がそんな寛容なはずがない。

 現在の円安も国別で2番目に多い対日貿易赤字も、米自動車大手などのロビイングを受ける大統領の不満リストの上位にある。

 各国の通貨安誘導を「思っているより早く止める」と不敵な発言をしたトランプ氏。日米は「為替は経済対話では扱わない」というが、金融政策を話し合う以上、為替を意識した攻防が起きるのはごく自然だ。

 長期金利のゼロ固定という異例の日銀緩和は円安に作用する。米国は陰に陽にここを突いてくるだろう。少なくとも金利を押さえつけている日銀には逆風だ。

 一方で米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は米政権の積極財政策の副作用を警戒し、利上げへの意欲を隠さない。米政権にイエレン氏を阻止する覚悟があるとは限らない。ドル高抑止は微妙だ。

 皮肉にも勘定書きは日本の財政に回る可能性がある。内需拡大で米の批判をかわす発想だ。政権が消費増税の再々延期に動くなら格好の口実になる。

(仙境)



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