大機小機 構造変化の渦中にある日中経済 2015/10/31 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「大機小機 構造変化の渦中にある日中経済」です。





 つい先日、米ニューヨーク・タイムズに「息切れする日本経済」と題する解説記事が掲載された。

 消費増税と中国経済の減速による需要減に加え、労働力の減少を主因にした潜在成長率の低下(現在はほぼゼロ)によって、ちょっとしたショックで景気後退に陥る状況にある、というのだ。

 専門家の共通見解といってよいが、労働力減少による供給制約が進行していることを改めて想起させられた。日本経済の構造問題はここにある。

 中国経済も大きな構造変化に見舞われている。2桁の実質成長率を堅持した高度成長時代は2010年で終わった。今年は4~6月まで7%成長という政府目標を維持したが、7~9月に6.9%に低下した。

 内需の状況を示す輸入額は、昨年11月からマイナスに転じ、今年9月は20.4%の大幅減を記録した。内需は急激に萎縮している。

 構造要因として日本と同様に労働力の供給制約を重視する見方が有力である。農村部から大都市への労働力供給が減少し、経済学でいう「ルイスの転換点」、つまり労働力の無限供給が終わる転換点を通過した、というのだ。たしかに成長率は低下しているのに都市部の失業率は4%と最低水準にある。

 日本はルイスの転換点を1960年代初頭に通過したとされているが、その後も人口は増え続け、大都市圏への人口流入も継続した。この結果、大都市圏での家計需要が盛り上がり高度成長が実現した。70年代初めに大都市圏への人口移動が収束すると高度成長時代も終わりを告げた。

 中国は大都市への人口移動の減少と、これまでの一人っ子政策の影響による生産年齢人口の減少が同時並行で進んでいるようだ。

 中国経済のもう一つの構造変化は、サービス経済化が徐々に進展していることだ。国内総生産(GDP)構成比でみると家計消費が着実に増え、第3次産業が第2次産業を上回ってきている。中国は家計消費、サービス産業を基盤にした安定成長への移行期にあると見ることができる。

 日中経済はともに構造変化の渦中にあり、それに対応した構造改革が求められている。両国とも技術革新、規制緩和による需要創出、生産性向上と人口減対策が急務である。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です