大機小機 組織風土とは何か 2016/06/11 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「大機小機 組織風土とは何か」です。





 繰り返される企業の不祥事。環境変化に取り残され競争力を失う組織に共通する根本原因は何か。その一つに組織風土があるのではないか。危機の際に社会への対応を誤ったり不祥事を繰り返したりする組織は、悪しき組織風土を変革できずにいる点が共通する。

 トルストイの「アンナ・カレーニナ」の冒頭部分に「幸福な家庭はみな似通っているが、不幸な家庭は不幸の相もさまざまである」とある通り、うまくいっている企業は似ているかもしれないが、不祥事の起因となる組織風土は様々だ

 問題の多い組織は不祥事の度に対症療法的に仕組みを変えても、真正面から組織風土と向き合うことを避ける。いうなれば組織風土は人間の血液に相当するものであり、表面的な治療では生活習慣病の改善が見込めないことと似ている。

 組織風土とは組織に根付くDNAではない。組織を構成する者の考え方・行動様式の積み重ねで醸成され自ら意識して作るものだ。価値を共有できるビジョンと調和した、具体的な行動の積み重ねが環境変化に適応した風土を生み出し組織のブランドを作り出す。

 だからこそ変革は容易ではない。「これまでの組織風土」自体が変革の障害にもなる。変革には経営トップの本気で変えたいという強い意志と率先垂範が前提であり、時代の変革に抵抗し適合しない者には去ってもらう覚悟も必要だ。時には経営陣の総入れ替えも不可避になる。

 社員が一体となって変革していくには、これまでの役割や機能といった基本的な戦略を大きく変え、実行のための仕組みや制度を抜本的に見直すとともに、日常的な行動を具体的に変えるための施策がカギを握る。全員が共有できる価値をビジョンとして示すと同時に、日々の業務に直接結び付く具体的な施策を即座に実践することだ。日々の行動を変えれば組織の風土は目に見えて変わる。

 組織の規模や業態、社会からの期待や役割は日々変化している。今は問題がなくても、良い組織風土を守るためにはどうすべきかを常に考え、手を入れていかなければ、変容する社会に適応できなくなる。組織は夫婦仲と同様、常に改善する努力が欠かせない。環境変化が激しい社会では、組織風土の変革こそが競争力の源泉だ。

(小五郎)



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です