大機小機 負の連鎖から均衡模索へ 2016/02/09 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「大機小機 負の連鎖から均衡模索へ」です。





 年初来、原油暴落、ドル高、中国経済の失速懸念で金融市場が大荒れとなり、実体経済との負の連鎖で先行き不安が高まっている。

 だが、原油価格50ドル割れでシェール石油の減産が始まり、30ドル割れで外貨準備の枯渇に直面する産油国が出始めた。エネルギー関連企業が発行する低格付け債のリスクも高まっている。

 そろそろシェア競争に終止符を打ち、協調機運が芽生える潮時だ。過去40年の経験則からみて、原油価格はすでに大底圏に達したと考えられる。

 ドル高も天井圏に差し掛かりつつある。米国の利上げを先取りしドルの実効レートは4割高騰した。その結果、米国の輸出と設備投資が減少、企業業績に陰りが広がり株安の逆資産効果で消費も鈍化しつつある。

 景気拡大をけん引した資産効果が消えれば景気失速のリスクが高まる。ドルが4割以上高騰して景気が失速しなかった例は過去にない。これ以上のドル高につながる利上げには慎重にならざるを得ないだろう。5年近く続いたドル高にもそろそろ転換点が近付いているようだ。

 一方、中国経済の先行きは依然不透明だ。過剰設備と過剰融資を抱え、製造業から第3次産業への転換は容易ではない。だが、昨年8月の人民元切り下げで輸出減少に歯止めが掛かり、自動車やテレビなど主要産業の生産が回復しつつある。賃上げで消費も堅調だ。1次産品の下落効果も景気を押し上げるはずだ。

 資本流出が懸念されているが巨額の資金注入で景気を支え、同時に人民元の投機売りには何らかの防衛策を講じるはずだ。中国経済のハードランディングは回避できるのではないか。

 投機の嵐で原油が金価格の30分の1以下に暴落し、ドルが内外金利差で説明しにくい水準に高騰するなど原油、金、為替、金利などのバランスが崩れ、ひずみが拡大した。資源開発が行き詰まり、世界貿易が縮小、世界経済が減速した。

 だが、原油の下落が止まり、ドル高が収まり、中国経済が底入れすれば、世界経済は安定を取り戻す。我が国も原油価格を反映した新しい価格体系が出来上がれば、物価下落にも歯止めが掛かり、デフレから脱出するはずだ。今年は負の連鎖が収まって新しい均衡を模索する年になるのではないだろうか。

(富民)



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