大機小機 転職・復職400万人時代 2016/04/09 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「大機小機 転職・復職400万人時代」です。





 新卒の就職戦線は大変な売り手市場。採用担当者は、さぞ大変だろう。その就職戦線で最近は、大学新卒40万人に対して転職や復職がその10倍の400万人とのこと。この数字は、終身雇用といった慣行が、我が国で過去のものになったことを示している。

 今日の雇用慣行は、かつての日本の高度成長の原動力だった。それは西欧の「ジョブ型」に対して「メンバーシップ型」と呼ばれ、従業員が新たな技術革新に積極的に取り組み、労使一体で成長に貢献した。それは、契約上の「ジョブ」しかしない従業員を抱える西欧の企業にはマネのできない芸当だった。

 ところが、IT(情報技術)化の進展によって製造工程がモジュール化し、それを生かした海外企業が経営資源を得意分野に集中してくるようになると、競争に敗れた多くの日本企業は不採算部門を抱え、社内失業者を抱えるようになってしまった。そのようになった日本企業の対応は、正社員を絞り込み非正規社員を活用することだった。かつて2割程度だった非正規社員が4割にもなっている。それが転職、復職400万人の背景である。

 人工知能が囲碁の名人を破る時代だ。ITの進化には想像を絶するものがある。野村総研は10~20年後に国内労働人口の49%にあたる職業が人工知能やロボットで代替される可能性が高いと予測する。キャシー・デビッドソンという米国の学者は、今の小学校1年生が大学を卒業する頃に就く仕事の65%は、現在存在しない仕事だとしている。

 日常的に新しい仕事が生まれ、それまでの仕事が無くなっていく。そんな時代になると、転職や復職を生かすことが企業や社会の成長のカギになる。転職の際には学び直しが当たり前。転職や復職でそれまでよりも給料が上がるのは当たり前。再チャレンジが当たり前。元気のいい中小企業がどんどん伸びていく。これらが当たり前になることによって日本全体の成長率も高まっていく。

 その実現のために求められるのが労働市場改革、教育改革、そして転職に際して路頭に迷わないための社会保障制度改革だ。そうなれば採用担当者は、自社の将来の成長を担う人材を新卒だけでなく転職や復職にも幅広く求めていくことになろう。

(唯識)



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