好調ラオックス、安定成長へ布石 国内店舗網を拡大 15年12月期売上高900億円に上方修正…中国不安の影 2015/08/14 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業総合面にある「好調ラオックス、安定成長へ布石 国内店舗網を拡大 15年12月期売上高900億円に上方修正…中国不安の影」です。





 免税店大手のラオックスは13日、2015年12月期の連結売上高が前期比79%増の900億円(従来予想700億円)になりそうだと発表した。訪日客増加が上方修正の理由だが、中国経済減速の影が忍び寄る。長い低迷期を脱した同社の次の課題は訪日客の「爆買い」に頼らない安定成長の実現。店舗網拡大や中国でのインターネット通販など布石を打ち始めた。

 1~6月期の売上高は前年同期比2.2倍の451億円、純利益は79倍の46億円だった。従来の通期の純利益予想(42億円)を半年で超え、通期予想を上場以降で最高の83億円(前期比6.7倍)に引き上げた。

 東京・秋葉原はお盆も訪日客でにぎわう。中でもラオックスの秋葉原本店には観光バスがひっきりなしにやって来る。お土産として人気のステンレスボトルなどは品切れが珍しくない。

 同社の来店客の8割は中国人。株安や人民元切り下げなど中国経済は不透明感が強まっている。だが羅怡文社長は13日の決算記者会見でこう言い切った。「来店客は(中国で1億~2億人いるとされる年収300万~1千万円前後の)中間層が主だ。中間層が増える大きな流れは変わらない」。来店客数は8月も前年比2~3倍の勢いだ。

ラオックス秋葉原本店(東京都千代田区)は夏休み期間中も訪日客でにぎわう

 家電量販店だったラオックスは09年に中国小売り大手の蘇寧電器集団(現・蘇寧雲商集団)の傘下に入った。免税店主体になったが、東日本大震災や尖閣諸島問題のたびに影響を受けた。売上高は11年12月期には100億円まで縮小し、営業損益が黒字になったのは14年12月期のことだ。

 「インバウンドは時に脆弱なビジネスになる」ことを肌身で知る羅社長は業績が好転した今期、経営体質強化へ一気に動き出した。中堅靴メーカーを買収、オンワードホールディングスと衣料品企画・販売で提携。独自の日本製品を確保し、競争力を高める狙いだ。

 10月からはNTTドコモと組んで訪日客に割引クーポンを配信するサービスを始める予定だ。日本でだけでなく、顧客が中国に帰ってからも関係を保ち、ネット通販の利用を促そうという思惑が潜む。中国市場に家電、紙おむつなど日本製品を売り込むため、今月、中国・アリババ集団のショッピングサイト「天猫国際」に旗艦店を出した。

 クレディ・スイス証券の山手剛人氏は「中国国内でネット経由で日本製品を買う需要も無視できなくなる。今のうちに知名度を上げておく必要がある」と指摘する。

 国内の店舗網拡充も急ぐ。上期は8店を出し、店舗数は24と前期末比4割増となった。下期も西日本の大丸店内などに同規模の出店を計画する。羅社長は「まだ(訪日客の)受け入れ体制が十分でない」と話す。主要な観光地に店を出し、顧客を取り逃がさない体制を作ろうというわけだ。

 ラオックス株は13日、前日比8%高の495円まで買い戻された。市場の見方も成長期待と懸念の間で揺れ動いている。今はその答えを出すための備えのときだ。(大本幸宏、山本紗世)



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です