宅配クライシス 物流企業の7割「値上げ」 本社調査待遇 改善へヤマトに追随 2017/5/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「宅配クライシス 物流企業の7割「値上げ」 本社調査待遇改善へヤマトに追随」です。





 日本経済新聞は人手不足への対応などを聞くために物流企業と個人向け通信販売を手がける荷主企業にアンケート調査を実施した。回答した物流企業の7割が運賃引き上げの意向を持つことが分かった。値上げで得る資金は主に従業員の待遇改善や採用拡大に充てる。荷主は回答企業の6割が交渉のテーブルに着く考えだ。値上げが浸透すれば一時的に消費者の負担が高まるが、待遇が改善すれば消費も回復し、脱デフレに弾みがつく可能性もある。

 アンケートは4月下旬に調査票を送付して実施。物流企業は52社中、日本郵便や西濃運輸など27社(回答率52%)、荷主は62社中、ニッセンホールディングスやユニクロなど22社(同35%)が回答した。

 物流企業に対し、大口顧客向け運賃について聞いたところ、今年1月以降に値上げを「実施した」との回答は12%。「実施予定」(20%)、「検討中」(36%)を合わせて値上げを目指す物流企業は68%に上った。平均値上げ率は「約1割」が55%と最多で「1割未満」(36%)と合わせると9割を超える。遠州トラックは「ここ数年、運賃を変更してない荷主には5%前後の値上げを9月までに目指す」とする。

 ヤマトホールディングス(HD)傘下のヤマト運輸は消費増税時を除き27年ぶりに10月1日から基本運賃を引き上げるが追随する動きが相次ぐ見通しだ。基本運賃の値上げを今年1月以降に「実施した」という回答は8%だが「実施予定」(15%)と「検討中」(27%)を合わせると50%に達する。平均値上げ率は全社が約1割までだった。

 値上げで得た資金の使い道(複数回答)は「従業員の待遇改善」が最多でフルフィルメント・ホールディングス(東京・千代田)など63%に上った。「人材採用の拡大」(59%)、「コスト増の補填」(41%)が続く。

 ヤマトHDは2017年度中に約160億円を投じ、グループ全体の従業員数を前年度比9200人(5%)増やす方針。正社員と契約社員が4200人に上り、約半数を占める。大和総研の小林俊介エコノミストは「人手不足によるパートタイマーの正社員化と生産性向上が進めば、賃金が増え、消費が活性化し、景気が上向く好循環のシナリオに一歩近づく」と指摘する。

 物流企業との運賃見直し交渉について「交渉を終了した」と答えた荷主企業は5%。「交渉中」(21%)、「今後、交渉する予定」(32%)を合わせると58%に上る。

 交渉を終えていない企業が容認する値上げ率は「1割未満」「約1割」がそれぞれ23%、「約2割」が15%。値上げを「拒否する」とした回答も38%に上り、実際の交渉は曲折もありそうだ。



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