家でおいしいコーヒーを(3) 味の違いこそ味わい深い 家庭用器具、日本が席巻 2015/07/01 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のくらし面にある「家でおいしいコーヒーを(3) 味の違いこそ味わい深い 家庭用器具、日本が席巻」です。





 ハンドドリップでコーヒーを繰り返し入れると、コツがつかめてくる。最初にコーヒー粉全体をむらなくお湯に浸す蒸らしが最も難しく会心の作業はなかなかできないが、それでも十分においしくなった。腕が上がったというより、湯温が高すぎないこと、手動ミルの刃を中びきに調整してもらったことが大きいようだ。ただし、味わいは毎回、かなり異なる。

 指導してくれた自家焙煎コーヒー店「カフェ・カルモ」のマスター、関口恭一さんは、専門学校でバリスタやカフェオーナーの卵の先生もしている。生徒の一人である山下大輝さん(25)と話す機会があった。高校時代からコーヒーが大好きで、卒業後に田舎でフリーターをやりながらお金をためてやっとコーヒーの勉強ができるようになったという。

 学校の授業では何百回もコーヒーを入れるそうだ。熟練したら同じ味が出るのだろうと思っていたが、「それは大変です。生徒同士で同じコーヒー粉の量で、同じお湯のタイミング、時間でやっても、同じ味にはならないから」。とはいえ「それがまた面白いんですよ」。

 ペーパーフィルターによるコーヒーの抽出は、約100年前にドイツの主婦、メリタ・ベンツさんが「主人においしいコーヒーを飲ませたい」という思いから考案した。メリタ社(独)は日本でもよく知られたコーヒー器具メーカーだが、現在、家庭用コーヒー器具はメリタを除けばほとんどが日本企業の製品が占めている。

 最適なコーヒー豆の量やひき方、お湯の温度、注ぎ方などは、各社の器具によって違ってくるというからまた悩ましい。比べてみると、コーヒーの出る穴が1つだったり2つだったり、円すいの底に大きな穴が開いたタイプもある。内側の溝の形状も違う。効果的に成分を抽出できるようにメーカーが独自に研究を重ねているのだ。

 関口さんは「日本のコーヒー文化は世界で最も多様な進化をしています」と話す。器具へのこだわりだけでなく、昔から産地ごとのさまざまな豆を提供する喫茶店があった。1980年代、大学生のころ通った店にもモカやキリマンジャロがあり、味の違いも分からないのに通ぶって注文していたのを思い出した。

 キリマンジャロはタンザニア、ブルーマウンテンはジャマイカの山の名。さらにブラジルにグアテマラ、ハイチ……。最近は地域や農園名が付いたものもある。「こんなにいろいろコーヒーの名前があるのは日本だけですよ」。土壌や標高、気候条件で味わいが微妙に違う。それを楽しむのは日本独自の文化かと思ったら、最近はそうでもないらしい。米国発「サードウエーブ」の登場である。

<ひと言>同じペーパードリップでもメーカーの器具によってやり方が違う。購入時に、そんな説明は聞いたことがない。



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