家でおいしいコーヒーを(4) 「サードウエーブ」やはり混雑 再現性重視文化の違いか 2015/07/02 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のくらし面にある「家でおいしいコーヒーを(4) 「サードウエーブ」やはり混雑 再現性重視文化の違いか」です。





 自宅のある東京・水天宮前から徒歩20分、隅田川を越えた清澄白河が最近、コーヒーの街として注目を集めている。今年2月、「サードウエーブ」の代表とされる米国の「ブルーボトルコーヒー」が日本1号店を開いてから連日、コーヒー好きが殺到しているそうだ。1杯飲むために4時間以上待ったという話も聞いた。

 そんなにおいしいのかと思うと、放ってはおけない。行ってみることにした。取材をお願いしたが「混雑してお客様と近隣に迷惑をかけているので、今回は辞退させてください」とのこと。確かに、人通りのない閑静な住宅街で、白い外観の倉庫か工場のような2階建ての周辺だけ人だかりがしている。

 シンプルな店内にはコーヒーを飲むスペースに大きなテーブルが3台あるだけ。奥に大きな焙煎(ばいせん)機が置かれている。コーヒーをテイスティングして気に入った豆を購入するのが本来の店のコンセプトかもしれない。この店ならではのシングルオリジンを注文した。農園や収穫時期などが同じコーヒー豆のことだ。残念ながらこの日は1杯550円のケニアしかない。

 カウンターの向こうでハンドドリップで丁寧に時間をかけて入れてくれる。「香りがいいですよ」とガラス製のカップで渡されたコーヒーは量が普通よりずっと多い。

 口に含むと苦味が少なく、酸味がけっこう強い。香りはフルーティーでさわやかな感じ。個人的にはもう少し焙煎した苦味を感じる方が好みだが、サードウエーブのコーヒーは、豆の特徴をより感じられる浅煎りで、ワインのように楽しむものといわれる。

 ブルーボトルの創業者、フリーマン氏はクラリネット奏者で、店主がひきたての粉で一杯ずつコーヒーを入れる日本の本格派の喫茶店に魅了され、そのやり方に影響を受けたことを公言している。サードウエーブが日本のコーヒー文化とアメリカ人アーティストの感性の融合と考えると興味深い。

 コーヒーを落とすサーバーの下に、重さと時間を計測する装置があるのに気がついた。トレーニングを受けたバリスタがハンドドリップするのだが、注ぐ湯の量だけでなく時間やタイミングも計測して、個人差が出ないようにするためのようだ。日本人なら、磨き上げたバリスタの職人芸による微妙な違いを楽しむような気もする。これも文化の違いなのか。

 もっとも、最近は日本酒の世界でも杜氏(とうじ)の勘ではなく、徹底したデータ管理によって再現性の高い酒造り、品質管理に移行しつつあると聞く。好みがさまざまな嗜好品を大きなビジネスにするとは、そういうことなのだろう。



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