宿泊施設和の装い ホテル開業・改装ラッシュ ヒノキ風呂 設置も 2017/8/10 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のくらし面にある「宿泊施設和の装い ホテル開業・改装ラッシュ ヒノキ風呂設置も 」です。





 2020年の東京五輪まで3年をきった。折からの訪日外国人客の増加を受けて、ホテルや民泊施設では受け入れ体制の整備を急ぐ。ハードだけでなく、日本流の「おもてなし」といったソフト・サービス面も磨きをかけ、大会の演出に花を添える。

ヒノキ風呂を備えた新しい客室のバスルーム(東京都千代田区のホテルニューオータニ)

東京タワーを間近に見られるテラス(東京プリンスホテル)

 老舗ホテルにとって2020年は2度目の東京五輪だ。訪日外国人(インバウンド)の観光需要は当時と比べて大幅に高まり、ビジネスでの利用も増えている。ホテル大手は改装やサービス強化で魅力を高め、需要の変化に対応している。

 「普通のレストランやカフェよりも開放感があるよ」。セ氏30度を超える7月の真夏日、日光が照りつけるテラスでベルギー出身の会社員、フィリップ・カプランさん(50)がモヒートを片手にくつろいでいた。フィリップさんは家族3人で東京プリンスホテル(東京・港)に2日間泊まり、都内を観光した。

 東京プリンスホテルは前回の五輪が開かれた1964年に開業。2度目の五輪への期待を込め、約50億円を投じて客室やロビーなど施設を全面改装した。フロアごとの客層を明確に位置づけ、家族の旅行客からビジネス利用まで幅広い需要を取り込む。昼はカフェ、夜はバーとして楽しめるテラスも新設した。

 前回の五輪で生まれたのが「ユニットバス」だ。ホテルニューオータニ(東京・千代田)は大会に間に合わせるため、浴室を限られた期間で大量に設置する必要に迫られた。あらかじめ工場で生産した材料を現場で組み立てるユニットバスを導入、大会を乗り切った。

 20年の五輪に向けては約30室の客室にヒノキ風呂を設置する。出張で日本を訪れ、週末には観光も楽しむ海外企業の社員などを想定。都心にいながら日本を体験できる。室内にはタブレット端末も設置し、天気や観光情報を案内したり、スマートフォン(スマホ)で撮った写真をテレビに映したりできる。

 体験型のサービスも重視している。フロントオフィス課コンシェルジュの山中真美氏は「海外の方は漠然と特別な体験をしたいと相談に来る」と話す。最近は習字や茶道、生け花体験の問い合わせが多いという。今年から1人1万5千円でホテル館内で浴衣の着付けをするサービスを始めた。

 不動産サービス大手のCBRE(東京・千代田)によると、17年から20年ごろまでに主要8都市で既存ホテルの26%に当たる約6万5千室分のホテルが開業する。東京は25.6%増の約2万5千室が新たに生まれ、都心の客室不足は解消する見通しだ。新ホテルの顔ぶれもビジネスホテルからシティーホテルに移ってきている。五輪に向けて需要拡大が期待される一方、安易に集客できる状況は潮目を迎えている。

(清水孝輔)



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です