対北朝鮮、中国巻き込め 元米国防長官ウィリアム・ペリー氏 201 7/7/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「対北朝鮮、中国巻き込め 元米国防長官ウィリアム・ペリー氏」です。





 ――北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射しました。

 「(自分が国防長官だった)20年前よりも事態ははるかに深刻だ。おそらく2、3年以内に実戦配備するだろう。この発射はその日程感にあわせたものだ」

 ――どう対処すべきでしょうか。

 「力を背景にした効果的な外交が必要だ。それには中国を巻き込まないといけない。中国が北朝鮮への燃料や食糧の支援をやめれば大打撃になるが、実行してこなかった。中国は米国と違う目的を持っているからだ」

 ――トランプ政権も中国に関与を促しています。

 「どのような外交政策でもアメとムチの両方が必要だ。中国は米国が北朝鮮の打倒を考えていると思っている。でも彼らは(在韓米軍のいる韓国との緩衝地帯にある)北朝鮮の政権が倒されてほしくない。だから米国の目標が北朝鮮にある核施設を取り除くだけであり、『政権の打倒ではない』という合意をできるようにすることだ」

 「北朝鮮は“金王朝”の存続を最優先に据えている。ソ連の崩壊後、世界中の共産主義の政権が倒され、危機の縁に立った北朝鮮は自らの安全を確保するため核に頼った。もし核放棄させたいなら北朝鮮の安全を確保する代替案を私たちがみつけないといけない。北朝鮮はそのために経済的利益を犠牲にしてきた。将来、北朝鮮と取引をする際はその立場を理解しないといけない」

 ――軍事攻撃は選択肢に入りますか。

 「北朝鮮への先制攻撃は悪いアイデアだ。北朝鮮による韓国、日本への攻撃に急拡大するだろう。国防長官在任中の1994年、私たちは核施設への『外科的空爆』(サージカル・ストライク)を検討した。これはあくまで外交が失敗したときの代替案だ。彼らとの交渉で間接的にはいい脅しになった」

 「(その後のブッシュ政権で始まった核問題を巡る)6カ国協議は、強力な交渉パッケージがなく経済的なインセンティブだけだった。だから失敗する運命にあったと思う。ブッシュ、オバマ両政権が誤った理由は、ともに北朝鮮が崩壊するのは『時間の問題』と信じていたことだ。だから強力に対処しようとしなかった」

 ――1999年~2000年にかけて北朝鮮と交渉に臨みました。

 「最終合意まで近づいた。(実際には共和党のブッシュ政権になったが)もし民主党政権が続いていれば成功していたと確信している。クリントン大統領は(大統領選で民主党候補が敗れたのを受けて)最後まで交渉を仕上げるのは不適切だと考えた」

 「この20年、私たちには北朝鮮を核兵器から遠ざける多くの機会があった。もっと効果的な取り組みをしていれば今日のような事態を回避できたかもしれないという思いはある」

(聞き手はワシントン支局=永沢毅)

 クリントン政権時の1994~97年に国防長官、98~2000年に北朝鮮政策調整官。事実上の大統領特使として北朝鮮の核開発を巡る交渉に臨んだ。89歳。



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