小池百合子研究(3)予定10分刻み、走り続ける「政策決定者の私が 決めた」 2017/9/8 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の政治面にある「小池百合子研究(3)予定10分刻み、走り続ける「政策決定者の私が決めた」」です。





 「私はマグロなのよ」。東京都知事の小池百合子は周囲に話す。マグロは泳ぎをやめると窒息するため、昼夜泳ぎ続ける。自身のたとえ通り、小池の仕事人間ぶりは都庁で有名だ。

08年の自民党総裁選は(左から)与謝野馨、石破茂、麻生太郎、石原伸晃の各氏と争った

 「局務報告」「面会」「ビデオメッセージ収録」。情報公開請求で小池の週間日程予定表を取り寄せると、連日、10分刻みで予定が入っている。「あらゆる案件の報告を求めている」と都職員は話す。こうした姿勢は、小池が幼少時に所属したガールスカウト時代に身につけたものだ。

「会見の直前で」

 「Be prepared(備えよ常に)」。スカウト活動の創始者、ロバート・ベーデン・パウエルの言葉だ。小池は常に情報を集め、準備を怠らない。

 「我々との間で物事を決めるつもりがないのではないか」。都幹部の1人は話す。築地市場の豊洲移転や、2020年東京五輪・パラリンピックの会場見直し問題など、重要政策であるほど「知ったのは会見の直前」(都幹部)という声は多い。

 小池が任命した顧問団ともそんな関係がにじむ。

 市場移転について専門家会議が「豊洲は安全」との見解に傾くと、小池は市場問題プロジェクトチーム(PT)を設置。PT座長に指名した小島敏郎が「築地建て替え案」をまとめると、小池は「政治的にもたない」と漏らし、別の有識者に解決策の検討を打診。最終的に自身の判断で「豊洲移転+築地再利用」という折衷案をまとめた。

 「市場問題でも知事に色々な情報を入れたが、最後は知事が一人で決断した」。顧問の1人は振り返る。

 「保守」を自任する小池だが、主張はかたくなではない。保守系団体「日本会議」に籍を置いたが、最近は出席していない。小池は「少しカラーがきつくなってきて違和感を感じた」と説明している。

 閣僚時代には終戦記念日の8月15日に靖国神社に参拝したが、知事就任後は実施していない。昨年10月の都議会では、自民党都議が参拝を見送った理由をただしたが、小池は明確にはしなかった。「常に心の中で、どこであれ戦没者への崇敬の念を抱いている」と述べた。

政策発信抑える

 首相の安倍晋三が狙う憲法9条改正はどうか。「(自衛隊を)違憲という人がいるからといって憲法に付け加えるというのは、いきなりは理解しがたい」と距離を置く。

 国政での経済政策の発信もいまは抑え気味だ。08年に自民党総裁選に出馬した際は成長を重視する「上げ潮派」。「埋蔵金の活用」を掲げ、特別会計の積立金を含む政府資産の圧縮や、歳出削減を主張していたが、最近はこうした発言をすることはない。

 都知事になって何を主張しているのか。「東京大改革の一丁目一番地は情報公開」。小池は就任以来、このフレーズを振り返す。

 「最後の決めはどうかというと、人工知能です。人工知能というのは、つまり政策決定者である私が決めたということ」。小池は8月10日の記者会見で「豊洲移転の検討過程の記録がない」と追及され、こう答えた。就任前の都政を「ブラックボックス」と批判していた小池だが、都政を透明化できるだろうか。

(敬称略)

=おわり



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です