市場変調 こう読む 国の内需は底堅い 工場新設、成長投資緩めず 信越化学工業会長 金川千尋氏 2015/08/29 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「市場変調 こう読む 国の内需は底堅い 工場新設、成長投資緩めず 信越化学工業会長 金川千尋氏」です。





 ――最近の株式市場をどうみていますか。

信越化学工業会長金川 千尋氏

 「50年以上相場をみているが、日経平均株価が1日に500円とか700円上げ下げして、めちゃくちゃな相場だ。セミプロの個人など投資家の裾野が広がっているだけに、昔より値動きが荒くなるのかもしれない。ドタンバタンする値動きが今後も当たり前のように起こるのではないか」

 ――実体経済を反映しているのでしょうか。

 「世界経済全体ではわからないところもあるが、信越化学工業の事業についていえば、足元も米国の塩化ビニール(塩ビ)樹脂や半導体ウエハーは順調だ。需要が底堅いなかで原油が下がっているので、利幅も取りやすくなるだろう」

 「塩ビは主に米子会社のシンテックで生産している。住宅やインフラ投資を背景に米国の内需は底堅く、中南米や中東、ロシア向けの輸出も着実に伸びている。例えば、牧場の柵はかつて木製だったが今では塩ビも使う。使い道が広がるなか、様々なインフラに対応できるように競争力のある製品を作っている。今後はグローバルで塩ビが不足する可能性があるため、今年末までに生産能力を1割強増やす」

 ――直近1年間で累計2000億円以上の投資計画を公表しています。変更はありませんか。

 「大きな案件では約1700億円を投じて、米国に塩ビの原料に使うエチレンの工場を造る。今のところ計画に変更はない。ただ必要なら見直して、より良い物を作ればいい。前言にこだわるのは愚の骨頂。朝令暮改は大いに結構だ」

 「市場や事業環境が大きく変わっても安定的に収益を伸ばしてこれたのは、景気が悪かろうと良かろうと必要な成長投資を緩めなかったからだ。2004年に半導体ウエハーの増産投資を決めたが、社内では反対の声が多かった。最終的に私が『やれ』と指示して、うまくいった。やっていなかったら、今ごろ業績が大変なことになっていた。16年3月期の連結経常利益は2100億円と前期比6%増える見通しを出している。達成できるだろう」

 ――今期は7年ぶりに増配します。

 「前期まで100円だった年間配当を110円に増やす。従来通りで十分だと思っていたが、株価が上がり、100円に慣れてしまった投資家もいたのではないか。心理的な影響がだいぶ違うので、社内で『110円にしよう』と言ったら皆、賛成してくれた」

 ――1990年に社長になり、10年からは会長として四半世紀も経営の最前線にいます。役回りを見直す考えはありますか。

 「(現在89歳で)自分の体のことは自分が一番わかっており、まだ元気だ。塩ビや半導体ウエハーだけでなく、化粧品に使うシリコーンや、自動車向け磁石など地道に育ててきた事業が全て伸びるように努力していく」

(随時掲載)



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