市場変調 こう読む 日本株、中国減速の影響大 米利上げ、先延ばしの公算 米メル・キャピタル・グループCEO グル・ラマクリシュナン氏 2015/08/28 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「市場変調 こう読む 日本株、中国減速の影響大 米利上げ、先延ばしの公算 米メル・キャピタル・グループCEO グル・ラマクリシュナン氏」です。





 ――世界的な株安の背景をどう見ていますか。

グル・ラマクリシュナン氏

米メル・キャピタル・グループCEOグル・ラマクリシュナン氏

 「新興国が先進国市場を激しく揺さぶっている。株安は中国とブラジルから始まり、日米欧に波及した」

 「資源安などを受けて、新興国の企業の収益性が悪化し、自己資本利益率(ROE)も低下した。そこへ米連邦準備理事会(FRB)による年内利上げ観測が強まり、世界の投資マネーが新興国から引き揚げた。これが株安の連鎖が始まった背景とみている」

 ――新興国の経済は危機的な状況なのでしょうか。

 「そうは思わない。過去の危機に比べて政府の打つ手は多い。通貨が下落しているが、外貨準備はまだ豊富にある。通貨安は通常インフレを招くが、現在は原油安もあり物価は安定している。むしろ低インフレの問題に悩んでいる。中国人民銀行が株安や景気減速に対応して追加金融緩和を打ち出せたのはそのためだ」

 「もっとも新興国市場に世界の投資マネーが戻るには、企業が利益率を高めなければならない。さらにFRBの利上げ時期も焦点となる。いつ利上げに踏み切るのか、はっきりしてくる必要がある」

 ――FRBは年内利上げに踏み切るとみていますか。

 「2016年以降に先延ばしする可能性が高まっている。米国は15年、2.5%の経済成長率を達成できないだろう。為替のドル高傾向や世界的な資源需要の低迷は、低インフレを招き、経済成長にも悪影響を及ぼすからだ」

 ――日本株への投資スタンスを教えてください。

 「日本株については数カ月前からショート(売り)ポジションを取っている。年初から株価が大きく上昇していたので、調整が必要だとみていた」

 「世界的な低成長の影響から日本経済も逃れられない。年内の米利上げがなくなれば、為替は円高方向に傾く。日本株には調整圧力がかかるだろう。中国景気減速の影響も大きい。中国の人民元切り下げで、日本企業は困難に直面するだろう。一部の日本の輸出企業は競争力が落ちる」

 「中国からの訪日観光客は日本国内の消費を支えていた。しかし、人民元安と景気低迷で、中国人観光客の消費も増加ペースが鈍化するとみている」

 ――日本の経済政策についてはどう見ますか。

 「日銀が政策判断を間違えるリスクを気にしている。例えば、物価上昇目標の達成にメドが立たないのに、早まって量的・質的金融緩和の『出口戦略』の議論を始めることだ。日本の株式市場には悪影響を及ぼすだろう」

 ――日本株に「強気」になる条件は。

 「ミクロに目を向ければ、良い材料はある。企業の業績の伸び率は高い。コーポレートガバナンス(企業統治)改革を通じて、経営陣がROEの改善に力を入れ始めた。配当や自社株買いも増えている。公的年金による日本株投資の拡大も株価にとってはプラスだ。ただマクロ経済のデータや、中国減速が企業業績に与える影響などを見極めたい」



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