市場展望2016(中) 続くか円安 分かれる見方 米利上げペースがカギ 2015/01/06 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「市場展望2016(中) 続くか円安 分かれる見方 米利上げペースがカギ」です。





2016年の外国為替市場をどう読むか。米国の追加利上げ観測から円安・ドル高基調が続くとの声がある一方で、経常収支改善で大幅な円高を予想する向きもあり、市場関係者の見方は大きく割れる。

米経済、堅調保てば130円も 野村証券チーフ為替ストラテジスト 池田雄之輔氏

 ――中国株急落などの影響で年初から円高が進みました。

 「足元は円高に振れているが一時的な現象だ。株安に伴うリスク回避の円買いが入り、やや過剰な動きになった。長い目で見れば引き続き円安・ドル高の相場展開になるだろう。年間では1ドル=118~135円で推移するとみている」

 ――円安が進むと見る理由は。

 「米国の追加利上げが円安・ドル高の原動力だ。米連邦準備理事会(FRB)の政策決定メンバーは今年4回の利上げを想定している。一方、市場参加者は現時点で年2回の利上げしか織り込んでいない」

 「米経済は堅調だ。経済指標の改善を背景に、早ければ3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前後に市場の利上げ織り込みの修正が起きるだろう。この過程で円相場は130円に向けて急落するとみている」

 ――円高を見込む声も増えてきました。

 「日本の経常収支の改善を円高要因とする声が多い。だが、市場全体の需給環境を見れば依然、円売りが円買いを上回る。日本の投資家や企業が海外投資を活発化させているためだ。日本勢の対外投資の円売りが、経常収支の改善による円高圧力を上回り、円の下落をもたらすだろう」

 「円高を見込む市場参加者の間には円安・ドル高が進むと、日米の政策当局がけん制してくると見る声も少なくない。だが、米国ではドル高下でも雇用の拡大が続いており、米政府や議会が通貨高のけん制に乗り出す可能性は低い」

 「日本も原油安によって円安による輸入物価上昇のデメリットは以前ほど目立たなくなった。日米の政策当局は円安・ドル高に容認の姿勢を取るだろうと考えられる」

貿易赤字改善受け円高に JPモルガン・チェース銀行市場調査本部長 佐々木融氏

 ――2012年から4年続けて年末時点で円安・ドル高になりました。

 「円を取り巻く環境は変わりつつある。原油安などを背景に貿易赤字が急速に縮小し、経常黒字は拡大している。資金需給では既に円買いに傾いているため、今年は円高・ドル安が見込まれる。理論モデルに基づく(物価動向など経済実体を映した)均衡為替相場は1ドル=90円台。現状は円安・ドル高の水準で放置された状態だ。年内には110円程度まで上昇の余地がある」

 「ユーロの金利が円より低く、金利差による収益を見込んだ売買でも円よりユーロを売る投資家が多い」

 「15年の円相場の値幅は1973年に変動相場制に移行してから最小だった。変動のマグマがたまっている。今年はそれなりに円高方向に値幅が振れてくるとみられる」

 ――国内勢の外債投資も円安要因でした。

 「投資信託などを中心に対外証券投資は既に積み上がっているため、これ以上積み増すのは難しい。リスクを回避する局面などでは巻き戻しの円買い・ドル売りが出やすい状態だ」

 ――米の追加利上げで円安傾向が続くとの観測もあります。

 「米連邦準備理事会(FRB)は年内に4回利上げをするだろう。経験上、利上げ後の6カ月間は利益確定目的のドル売りが出やすい。米利上げが円安・ドル高をもたらす可能性は低いだろう」

 ――日銀の追加緩和はどうみていますか。

 「日銀は11月ごろ追加金融緩和に動くだろう。ただ円相場にはそれほど効かない。昨年までは最も円安・ドル高に影響してきた貿易収支が足元で改善しているためだ。追加緩和で少し円安が進んだとしても、一時的な動きにとどまるだろう」



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