広島・宮島にホテルや地ビール醸造所 訪日客増、観光消費促す 20 17/8/1 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「広島・宮島にホテルや地ビール醸造所 訪日客増、観光消費促す」です。





 世界遺産の厳島神社がある広島県廿日市市の宮島でホテルや地ビールなど開業が相次ぐ。錦水館(同)は9月1日にホテルを大規模改修して「ホテル宮島別荘」を開く。宮島ビール(同)は11月に醸造所を新設、大手コーヒー店も併設する。1~6月の来島者数は前年同期に比べて23万人増の218万人と年間では450万人に達する勢い。消費額の拡大を目指す。

 錦水館は宮島桟橋の向かいにあった「旧宮島観光ホテル錦水別荘」を7億5千万円かけて大規模改修した。町家や海、山の風景を感じられる部屋を設け、食事は広島県産の食材を多く使用し料理をビュッフェ形式で提供する。錦水館の5代目宿主、武内恒則社長は「自分の家にいるような安心感が得られたり、落ち着きが感じられたりする場所にした」という。開業に向け約20人の新入社員を今年春に採用。インスタグラムへの写真投稿で宮島の魅力を発信する。

 厳島神社の入り口まで続く「表参道商店街」の一角には宮島ビールが11月に3階建ての飲食店を併設した醸造所を設ける。ビールは持ち帰りで200ミリリットル入り1杯350円。宮島ビールの有本茂樹最高経営責任者(CEO)は「かんきつ類のビールなども提供し、幅広い年代層に愛飲してもらいたい。飲食店は夜11時まで営業する予定で宿泊者に利用してもらいたい」と話す。

 表参道商店街の奥にある「町家通り」でも古民家を改装して料理店やカフェ店、雑貨店などが集積し始めた。2016年秋に欧風料理「宮島レ・クロ」が開業した。「弁天の宿いつくしま」は「リブマックスリゾート安芸宮島」に替わった。

 1947年に5197人いた島内の人口は1637人(17年7月1日現在)とピークの3割に減少。89年に団体客を中心に52万人いた島内宿泊者数も減少したが、ホテルや旅館は個人客に絞って部屋に工夫を凝らし、15年は36万人と、ほぼ30万人台を維持している。

 一方で8月と11月は単月で約50万人が訪れ、表参道商店街での通行がしにくくなるなど課題も出てきた。宮島水中花火大会の実行委員会は開催日を8月の第4土曜日(今年は26日)に移すなど、多客時対策を急ぐ。

 ▼宮島 日本三景のひとつ。厳島神社と前面の海、背後の弥山(みせん)の原始林を含めた島全体の14%を占める431ヘクタールが1996年12月7日に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。

 厳島神社の社殿は593年の創建とされ、平安時代末期に平清盛が現在と同じ規模の社殿を整備したとされる。現在の大鳥居は1875年に再建。2012年7月に宮島の南西部がラムサール条約の湿地に登録された。絶滅危惧種の「ミヤジマトンボ」が生息する。

 宮島観光協会の中村靖富満会長(やまだ屋社長)は訪日外国人の増加が後押ししているとみる一方、思い出に残る体験や、夜でもにぎわいを感じられる街づくりに向けた知恵や努力が求められると話す。主な一問一答は以下の通り。

 ――16年の来島者数が過去最高を更新しました。17年上半期(1~6月)はどうですか。

 「1月を除き単月で過去最高を更新した。閑散期でも訪日外国人が多い。単純計算して下半期が昨年並みなら年間450万人になりそうだ」

 「五日市港に大型のクルーズ客船が多く寄港しており、16年に訪日外国人は28万人に増えた。6~7割は欧米系だ。09年に廿日市市が仏モンサンミッシェルと観光友好都市で提携しており、フランス人も多い」

 ――島内消費額の増加が課題ですね。

 「宿泊費を含めて1人平均で約3500円。外国人は土産物をまとめ買いして近所に配るような習慣はなく、店ごとに経済効果につながる工夫が必要だ。当社ではもみじまんじゅうの手焼き体験を実施し、年3万7千人が利用している」

 「夜に出歩いて食べたり飲んだりする店も少しずつ増えてきたが、外に出たくなるような取り組みを地域全体でやりたい。若い人の知恵や努力が求められている」



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