建設現場に週休2日制導入、工事原価7%増も 不動産会社は反発 も 2017/11/17 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「建設現場に週休2日制導入、工事原価7%増も 不動産会社は反発も」です。





 総合建設会社(ゼネコン)でつくる日本建設業連合会(日建連)は2022年3月期までに、施工現場を週休2日制に移行する方針を固めた。工事原価の7%以上の増加につながると見る建設会社が多い。施主側に一定負担を求める考えだが、不動産会社は反発している。建設需要が一段落するとされる東京五輪後をにらみ、両者のさや当てが激しくなりそうだ。

 「週休2日なんて無理と認めてきたタブーに業界の命運をかけてチャレンジする」。建設業界の人手不足を受け、日建連はこのほど「週休2日実現行動計画試案」を取りまとめた。施工現場はこれまで週休1日が多かった。会員各社に週休2日制へ移行を働きかける。

 施工を担う下請け業者は日給制が多い。週休1日から2日に単純に移行すれば実質賃下げとなるが、元請けが人手を確保するには下請けへの支払賃金を維持する必要がある。単純計算で下請け業者の日給は1.2倍となり、工期も長くなる。

 建設会社の労務費は工事原価の4割前後を占めるとされる。さらに工期が延びれば建機リース費や仮設費なども膨らむ。日建連の会員企業への調査では、週休2日へ移行すると延べ52社のうち26社が工事原価で7%以上、17社が5~7%の上昇につながると答えた。

 工事原価が7%上昇すれば影響は大きい。ゼネコン売上高上位10社の2017年3月期連結決算で試算すると、売上高と販管費が変わらず工事原価が7%増えれば7社が営業減益、3社が営業赤字に転落する。日建連の山内隆司会長(大成建設会長)は「生産性向上でコストアップを吸収する努力を重ねていきたい」としつつ、「必要な経費は請負代金に反映させる」と強調する。

 建設業界の動きに発注者側の不動産業界は反発している。不動産協会の菰田正信理事長(三井不動産社長)は「建設業の働き方改革に協力する」としたうえで「生産性向上や重層の下請け構造など、建設業がきちっと取り組みを進めることが大前提」とくぎを刺す。

 建設会社と不動産会社の関係は12年頃から変わった。かつては供給過剰を背景に建設会社が不動産会社に買いたたかれるケースが目立ったが、震災復興や五輪需要などを受けて建設会社が価格交渉で優位に立つ場面が増えた。今回の週休2日制移行を建設業界が持ち出したのもその延長線にあるとの見方もある。

 大和証券の寺岡秀明シニアアナリストは「値上げが始まるのは早くて21年3月期だが、どこまでコストに影響するか不確定要素が多い」と話す。焦点は建設需要の動向だ。東京五輪後に需要をどの程度確保できるかどうかで両者の価格交渉力が変わり、業績にも影響してくる。(大西康平、和田大蔵)



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