強行離脱、英政界・世論に賛否 議会の承認が焦点 2017/1/19 本 日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「強行離脱、英政界・世論に賛否 議会の承認が焦点」です。





 【ロンドン=黄田和宏】英国のメイ首相が欧州連合(EU)の単一市場からの離脱を明言したことで、同国の政界や世論が割れている。EU離脱派は強硬姿勢を評価する一方、18日には野党やスコットランドの代表らが反発を強めた。メイ氏がEU離脱で最終的に英議会で承認を求めると明言したこともあり、今後国内の支持を固める必要が強まっている。

 英下院が18日開いた毎週水曜恒例の党首討論では、メイ氏への追及が強まった。最大野党、労働党のコービン党首は英国が法人税の引き下げも辞さない構えで臨むことを批判した。EU側を脅迫するような交渉姿勢にも懸念が強い。これに対し、メイ氏は「私にはプランがある」と反論した。

 野党、自由民主党のファロン党首は17日、EU離脱を選んだ昨年6月の国民投票の結果について「単一市場からの離脱に投票したわけではない」と反論。「メイ氏は英国経済に甚大な被害を与える選択をした」として、メイ氏が論点をすり替えたと批判している。

 英北部スコットランドでも反発が強まる。スコットランド議会はメイ氏の演説を受け、17日に賛成多数で単一市場残留を可決。18日の党首討論で質問したスコットランド民族党の国会代表、ロバートソン議員が英政府との対等な関係を求めたのに対し、メイ氏はスコットランドに単一市場に残留する選択肢はないとの考えを示した。

 メイ氏は17日の演説で、12の優先事項のひとつとして英国の連合王国を構成する4つの自治政府の強い結束を訴えたが、早くも不協和音が響いている。スコットランドのスタージョン行政府首相は英メディアに対し、英国からの独立の是非を問うため、2014年9月に次ぐ2度目の住民投票を実施する可能性が高まったとの見方を示した。

 世論も単一市場離脱について賛否両論ある。英スカイニュースが17日に約1000人を対象に実施した緊急の世論調査によると、単一市場からの離脱を支持するとの回答が51%を占め、反対の39%を上回った。ただ年齢層別に見ると、高齢層では支持が6割強と高い一方、若年層では反対派が多数を占め、世代間で受け止め方が大きく割れている。

 昨年12月にロンドン郊外で実施した下院の補欠選挙では、離脱反対を掲げた自由民主党の候補が予想外に元保守党の候補を破り、議席を奪った。メイ氏の離脱方針に批判的な意見も少なくない。

 英最高裁は24日に離脱通告に関する議会承認の是非を判断する予定。メイ氏はEU離脱の最終合意について議会承認を求めるとも明言した。議会の穏健派にも配慮しながら、いかにEUとの交渉を有利に進めるかも焦点になる。



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