心の健康学 人との会話 声の調子や雰囲気 大事 2015/06/21 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「心の健康学 人との会話 声の調子や雰囲気 大事」です。





 自分では気がつかないが、私のしゃべり方には出身地の愛媛のなまりがかなり残っているようだ。イントネーションはもちろんだが、話す速度もゆっくりしているといわれる。

 東京に出てきて40年以上たつのに話し方は変わらないものだと考えると、ちょっとがっかりする。だが、人の相談にのるときには、そのゆっくり感が良い方向に作用することが多いように思う。

 ゆっくりした話し方のおかげで、悩みを抱えている人が、じっくりと相談にのってもらえていると感じるようだ。実際にそのように患者さんから言われることもある。会話というのは言葉の内容だけでなく、声の音調や雰囲気などそれ以外の部分がずいぶん影響するのだということに気づく。

 以前に米国で、ビジュアルクリフと呼ぶ装置を使った赤ん坊の実験を見学したことがある。机の上に、机よりも広いガラス板が張られていて、反対側にいる母親が声をかけると、赤ん坊がガラス板の上をはって母親に近づいていくが、机の端まで来ると、赤ん坊ははうのをやめる。

 ガラス板は母親が立っているところまであり、先に進んでも落ちないのだが、机が途切れて崖(クリフ)のように見えるために、赤ん坊はそこではうのをやめて母親の方を見るのだ。

 そのときに、母親が安心した雰囲気で優しく声をかけると、赤ん坊はガラスの上を伝わって母親のところまでやってくる。ところが、心配しているような声で話しかけると、赤ん坊はそれ以上進まなくなる。この実験からも声の音調のこころへの影響がわかる。

(認知行動療法研修開発センター 

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