心の健康学 福笑い 元気になる生活の知恵 2017/1/8 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「心の健康学 福笑い 元気になる生活の知恵」です。





 年が改まった。今年の正月に福笑いをした人はいるだろうか。おかめやひょっとこなどの顔の輪郭を描いた紙の上に、目隠しをした人が、目や口、鼻などを置いて顔を作っていく伝統的な遊びだ。変なところに目や鼻が置かれてますます変な顔になり、それが皆の笑いを誘う。

イラスト・大塚 いちお

 今になって考えてみると、福笑いには笑いを引き出して、新しい年を心身ともに健康に過ごしたいという願いが込められていたのだと思う。「笑う門には福きたる」と言われるが、笑いの効用はいろいろな研究で確かめられてきている。

 心から笑うと、免疫機能が高まるという科学的な研究報告がある。また意識的に笑顔を作るだけで、ポジティブな情報を受け取りやすくなることも実験からわかっている。

 意識的に笑顔を作った場合と、あえて厳しい表情をした場合とで、同じマンガを読んでも面白さの感じ方が違ってくるという研究報告もある。口角を上げて意図的に笑顔の表情を作って読んだときの方が、口をとがらせて読んだときより、面白いという評価が高くなると言うのだ。

 会話中に笑顔になると、相手の表情がやわらいでくるのは誰しも経験があるだろう。逆に、不愉快そうな表情で話をすると、相手も同じように不愉快そうな表情になり、とげとげしい雰囲気になってくる。表情や態度は伝染するのだ。

 このように考えると、福笑いは私たちの生活の知恵から生まれたものだと思える。IT機器のゲームに取って代わられた感もあるが、時には昔ながらの遊びにも目を向けてみたい。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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