戦略を聞く お金どう使う(3) 「MRJ」開発・生産を加速 三菱重工業社長 宮永俊一氏 2015/06/06 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「戦略を聞く お金どう使う(3) 「MRJ」開発・生産を加速 三菱重工業社長 宮永俊一氏」です。





 ――今期から3カ年の中期経営計画では、投融資額を6300億円と過去3年に比べて15%積み増します。具体的な投資案件にはどんなものがありますか。

 「まず、国産ジェット旅客機、MRJの開発・生産体制の整備に力を入れたい。これまでに2千数百億円を投じてきたが、今後3年で研究開発や設備投資の合計でこれを若干下回る規模の金額が必要だ。多額の資金だが研究開発の主体である傘下の三菱航空機を上場させて資金調達する考えはなく、三菱重工本体でまかなうつもりだ」

 ――実現しませんでしたが2014年は仏アルストムのエネルギー事業買収に乗り出しました。今後も大型買収を検討しますか。

 「買収に約7千億円かかる可能性があったが、決断した。この事業を取り込めれば、東南アジアでサービス網を獲得する利点があった。今後も魅力的な案件なら5、6千億円級でもかまわない」

 「火力発電システムなどエネルギー分野は米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスなど大手がシェアを分け合う市場で、当面は均衡状態だ。ただ、原油やガス周辺分野はまだ再編の余地が大きいので良い案件を探している」

 ――大型投資に加えて、16年3月期に構造改革費用として500億円を見込んでいます。

 「費用は設備の減損や売却損もあり、そのまま資金流出を意味するものではない。戦後の高度成長の過程で続けてきた事業があるが、役割を終えつつあるものもある。機械・設備システム事業を中心に売却をしたり、新たに合弁会社を設立したりして事業を積極的に入れ替えたい。売上高(今期4兆2千億円見通し)の5%以内の範囲で事業の入れ替えを検討している」

 ――投資や構造改革で費用がかさみますが、重視しているフリーキャッシュフロー(純現金収支)はどうなりますか。

 「投資負担はあるが、既存事業などで得られるキャッシュもあるため、今期から3年間は平均で1千億円から1千数百億円は出せる。フリーキャッシュフローの動きは将来の利益の動きにつながる。投資案件が並ぶ今後3年をすぎれば、その後は年間2千億円を超える規模にもっていかなければ利益水準も上がらない」

 ――利益水準が上がってくれば15年3月期末に1兆6千億円ある株主資本がさらに膨らみます。資本効率から見れば過剰ではないですか。

 「長い目で見れば、売上高が5兆円以上ないと世界の市場では生き残れない。MRJへの投資加速や、買収などで大型の借り入れをするにも安定的な財務基盤が必要だ。18年3月期末までに2兆円の株主資本を目指す。ただ一方的に資本を増やす訳ではない。中計では前期で6.5%の自己資本利益率(ROE)で10%以上という目標を掲げた。資本に見合った利益は出していく」

 ――目標の到達は可能ですか。

 「国が主な取引相手である防衛・宇宙事業は営業利益率が6%でほぼ決まっている。この利益率と自己資本を勘案するとROE13%が見えてくる。MRJへの投資が一段落する次期中計では、ROEをこの水準に引き上げなければ株主の理解は得られない」



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