手数料にメス 謎の内訳(下) カード「二重取り」横行利用 増、安心確保がカギ 2016/12/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「手数料にメス 謎の内訳(下) カード「二重取り」横行利用増、安心確保がカギ」です。





 国内で消費者が買い物をする際、クレジットカードで支払われた金額は17%にすぎない。現金志向が強いからと片付けるのは簡単だが、カードの複雑な手数料のしかけも敬遠される大きな原因ではないか。

加盟店手数料の「二重取り」はカード会社との規約で禁止されている

 内閣府の調査では58%の人が「積極的に利用したくない」と回答。その半数は「カードが無くても不便を感じない」として利点を見いだしていない。問題視されているのが安全にカードを使える環境が確保できていないという不安だ。

10%上乗せ請求

 札幌市の繁華街ススキノで今月、1軒の飲食店が大手クレジットカード会社から指導を受けた。理由は「手数料の二重取り」だ。「カードを利用すると料金の10%が付加されます」。カード会社の社員がこの飲食店で自社のカードを利用しようとしたところ、請求額は本来の金額に10%上乗せされ8800円になった。こんな手数料の二重取りは「氷山の一角。悪質な場合は利用契約を解除する」とカード関係者は言う。

 店がカード会社に支払うのは加盟店手数料。店の規模や業種によりまちまちだが、通常は代金の2~5%だ。この水準は妥当なのか。英国の調査会社によると日本は平均3.6%。カード大国の米国は2.2%で韓国は1.9%と日本より低い。カード会社は「年会費」や「システム利用料」といった固定費も別途徴収する。

 支払いの選択肢は多いにこしたことはないが、いざ価格転嫁すれば顧客は離れる。新橋で居酒屋を経営する60歳代男性は「カード会社になぜ高額手数料を払わないといけないのか。うちは現金主義」と憤る。零細業者ほどカードに加盟したくてもできない。

 カード会社が利益を顧客に適切に還元すれば利用者の裾野を広げることはできる。航空会社のマイレージや人気通販サイトのポイントへの還元率はどの程度だろう。カードで支払った金額のうちポイントなどが付与される割合は0.5%程度と低く魅力に乏しい。

消費促す機能

 落とし穴は「分割払い」「リボ払い」といった借り入れをした場合のコストだ。リボ払いの年利は約15%に上り、マイナス金利時代に不釣り合いな高利貸しだ。ある会社のショッピング取扱高のうちリボ払いの比率は5%だが営業利益の約4割を稼ぎ出すドル箱だ。

 多くの日本のカード会社は「Visa」など契約先の世界ブランドに高額の手数料を支払うため、利用者へのしわ寄せが重くなる。

 手元に現金が無くてもほしい商品やサービスを手に入れられる「消費喚起機能」がカードの特徴だ。普及すれば景気にはプラスだが、情報漏洩などの不信感から利用に弾みがつかず、決済サービスとしての成長は鈍い。2020年の東京五輪に照準を合わせて、政府とクレジットカード会社などは訪日客の利便性向上のため「現金撲滅」を宣言する。その前にただすべき課題は山積みだ。

 高見浩輔、逸見純也が担当しました。



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