政策レーダー 日中財務相、喫煙所で「一服」 硬軟織り交ぜ中国けん制 2015/06/13 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の政治面にある「政策レーダー 日中財務相、喫煙所で「一服」 硬軟織り交ぜ中国けん制」です。





 日中の財政担当相は6日、中国・北京で経済・財政問題を議論する財務対話に3年2カ月ぶりに臨んだ。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を欧州各国が表明した3月以来、波乱含みだった両者だが、意外に協調を印象づける場となった。今は夏に戦後70年談話を控え日中関係が微妙な時期。あえて協調姿勢を打ち出したのはなぜか。

日中財務対話で協調を印象づけた麻生財務相(右)と楼財政相(6日、北京市)

 5日夜、北京の釣魚台での夕食会の合間に麻生太郎副総理・財務相は中国の楼継偉財政相とたばこを片手に肩を並べていた。北京市が6月に喫煙規制を強化し、喫煙コーナーが少なかったことが2人を引き合わせた。話題は日中が来年それぞれホスト国となる国際会議などで、終始和やかな雰囲気だったという。

 1カ月前のアゼルバイジャン首都バクー。麻生氏が日中韓財務相会議で楼氏を迎えた際はお互いほとんど目を合わせなかった。北京での再会で融和に転じたのは明らかだ。理由は日中それぞれにある。

 日本側の動機は財務対話後に発表した共同文書から透けて見える。「日中は開発金融機関との協調などを通じてアジアのインフラ整備を進める」とAIIBを念頭に協調をアピール。麻生氏は「(日本が大株主である)アジア開発銀行(ADB)などと一緒に融資しよう」と呼びかけた。ADBと協調融資となればAIIBも融資先を自由に決められなくなり、日本は存在感を維持できる。

 中国側は日本が他国と組み中国包囲網をつくるのを避けたいという思惑が働いたようだ。日中財務対話の2週間前、韓国との財務対話で日本は5年で1100億ドルをアジアのインフラ整備に投じる計画に韓国の賛同を得た。崔炅煥(チェ・ギョンファン)企画財政相は政経分離を強調。冷え切っていた日韓が先に協調姿勢を示したことも中国にはけん制と見えた。

 日中財務対話のタイミングは主要7カ国(G7)首脳会議の直前。G7で日米が中国の海洋進出をめぐる問題に言及するのは確実な情勢だった。中国にとって経済分野は外交問題に比べれば協調を打ち出しやすい。

 日中の空気は財務対話の直後、再び変わる。G7で安倍晋三首相はインフラ整備の融資では「腐敗対策が重要」と指摘。融資基準が不透明と日本がみているAIIBを暗に批判した。「要求」と「協調」を織り交ぜて中国をゆさぶりにかかる日本。首相と副総理が硬軟の役割を分担しているようにもみえる。(R)

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