政策 ズームイン 国連安保理 非常任の権限と限界 日本、11回目の安保理入り 北朝鮮対応など、決議案づくりを主導 2015/11/01 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「政策 ズームイン 国連安保理 非常任の権限と限界 日本、11回目の安保理入り 北朝鮮対応など、決議案づくりを主導」です。





 日本が2016年1月から国連安全保障理事会の非常任理事国になる。加盟国で最多の11期目。決議案づくりを主導でき、情報の質、量とも高まる。ただ、常任理事国に比べれば発言力は限定的で、日本が安保理改革を訴える理由でもある。非常任の権限と限界を探った。(坂口幸裕)

 日本の非常任理事国入りが決まった翌週の21日、常任の英国の担当者が外務省幹部のもとを訪ねた。「作戦を練っていこう」。年明け以降を見据え、昼食を挟み北朝鮮などのテーマを幅広く議論した。常任との擦り合わせは始まっている。

段違いの情報量

 安保理入りの利点は「情報の量と質が格段に上がる」(外務省幹部)。懸案を抱える国が議題を持ち込む際、決議案の内容を安保理に知らせる必要があり、調整の際に情報が集まる。

 安保理の議場や隣接する控室に入れるのは原則、理事国15カ国のみ。他国の外交官は会合後に出てきた出席者をつかまえて関心事項を聞き出すしかない。

 日本は11月下旬からオブザーバーで議場に入れるようになるが、いまは「間接的に情報を得る」(国連筋)。英仏は欧州連合の加盟国を対象に説明会を開く。アジア唯一の常任、中国が日本に率先して情報を渡すのはまれで、米英仏や非常任から個別に聞き出す。

 非常任になれば決議や議長声明づくりに直接関与できる利点も大きい。とくに北朝鮮への対応だ。核実験やミサイル発射などを強行すれば制裁や非難の決議案を巡る議論になる。議長国は関心のあるテーマを取り上げやすい。日本は16年7月に議長国になる。

 非常任だった06年、北朝鮮への2度の制裁決議を主導した。7月にミサイル発射から10日程度で採択。関係者は「安保理メンバーでなければ1カ月以上かかった」。10月の核実験は議長国として動き、5日で採択した。安保理は昨年12月に初めて北朝鮮の人権問題が議題の公式会合を開催。拉致問題で「圧力をかけるカード」との期待もある。

ノウハウに差

 安保理は常任と非常任で歴然とした差がある。常任が1カ国でも反対すれば決議を阻める拒否権を持つほか、例えば非常任は再選できない。日本は計20年間非常任を務めたが、40年近くは安保理に参加できない「空白期間」だった。

 いつ非常任になれるかも見通せない。今回は立候補したバングラデシュが辞退し日本が選ばれた。ハシナ首相は「建国の父」と呼ばれる初代大統領ラーマン氏の長女。日本は世界に先駆けてバングラを国家承認した。「安倍晋三首相とハシナ首相の個人的関係も後押しした」(首相周辺)

 常任の強い権限は、第2次世界大戦を防げなかった反省を踏まえて国連が発足した経緯と関係がある。戦前の国際連盟は総会での全会一致が原則で、紛争仲裁などの強制力も持たなかった。そこで国連は戦勝国の米英仏中ロを常任理事国として強い決定権を与えた。

 常任5カ国は長年の経験で安保理運営のノウハウや人脈が豊富。議題の約7割を起案する米英仏が事前に擦り合わせ、中ロと相談する「非公式会合」もあるという。その後に非常任を加え議論する場合が多く「日本が指導力を発揮するのは容易でない」(関係者)。

 特権は(1)事務総長選出の人物審査(2)事務次長ら幹部に出身者が多い(3)国際司法裁判所の判事に出身者が在籍――もあるとされる。



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