日本の職場、外国人労働者頼み 製造業は3%超え 2018/1/13 本 日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「日本の職場、外国人労働者頼み 製造業は3%超え」です。





 人手不足が強まるなかで外国人労働者への依存度が高まっている。この4年で外国人の雇用者は大きく増え、日本人がやや集まりにくい建設や警備などで就労する動きが活発だ。急激に伸びている女性や高齢者の就労者数もいずれ壁にあたりそうで、労働現場の外国人頼みが強まる見通しだ。

 「現場の人手不足はかなり厳しく、外国人労働力の受け入れが喫緊の課題だ」。ユニー・ファミリーマートホールディングスの高柳浩二社長は訴える。

 厚生労働省によると、外国人労働者は2016年10月時点で108万3769人で今の景気回復が始まる直前の12年10月から40万人増えた。3割超にあたる36万人が従業員30人未満の中小零細企業に集中している。

 あらゆる分野で外国人の割合が上がっており、日本の全就業者数に占める外国人の依存度は12年秋の1.1%から1.7%に上昇した。過酷な労働条件から敬遠されることもある職業でとくに目立っており、廃棄物処理や警備などのサービス業は1.8%から2倍の3.7%に跳ね上がった。宿泊・飲食や製造業も3%を超えた。

 実際の人数をみてみると、製造業の場合は4年間で全体で9万人増えたが、この9割弱の7.7万人は外国人だ。卸売・小売業でも増えた分の67%にあたる7万人弱が外国人で、いずれも新しい働き手のほとんどを外国人が占めるという異例の状況だ。

 建設業は4年で外国人が2.8万人増えた。それでも労働力不足を補えず、全体の就業者は17万人も減った。リネンサプライなど生活関連サービス・娯楽業も外国人を入れても全体で就業者が減少。インターネット通販拡大で倉庫で仕分けなどをする人が足りない運輸・郵便も外国人の伸びが際立っている。

 経済に及ぼす影響は様々だ。BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は不法滞在者ら統計に載らない人も最大21万人いると想定。労働単価が低い外国人も多く入ってきたことで同じ仕事の日本人の賃金上昇を抑えている可能性があるという。それでも経済全体でみれば大きな利点も浮かぶ。

 河野氏によると、現在の年10万人ペースで外国人労働者が増えれば経済のパイが次第に膨らみ、国内総生産(GDP)を年0.07%押し上げる。30年まで続けば効果は1%になる。

 労働市場の変化からも、外国人依存が進むのは確実だ。2000年から16年までに日本の労働力人口がどう変化したかをみると、15~64歳の男性が397万人も急減した。その一方で高齢者が293万人、15~64歳の女性も10万人ずつ増え、労働人口の減少分の8割弱を補ってきた。

 だが、国立社会保障・人口問題研究所によると15歳以上人口は25年までにさらに270万人も減る。20年代になると高齢者、女性の労働参加にもおのずと限界が訪れ、不足する労働力の多くを外国人に頼らざるを得なくなるとの声が多い。

 第一生命経済研究所の星野卓也氏は医療・介護分野の担い手だけで150万人以上不足し、経済的な損失が6兆円に上るとはじく。

 外国人の就労には規制の壁もある。外国人には技能実習生や留学生も含まれ、実習生は16年秋時点で約21万人と4年で6割も増えた。ただ、実習生は常勤職員が300人超いる企業の初年度の受け入れ枠は原則、職員の5%までで、むやみに増やせるわけではない。

 技能を身につける名目で働くという曖昧な位置づけを悪用する企業も多い。低賃金、長時間労働といった劣悪な待遇で働かせる問題への対処が必要だ。

 留学生は週28時間以内ならアルバイトができ、コンビニエンスストアなどで働く例が多い。そのまま日本企業に就職する学生もいるが、専門性の高い職種や日本企業の海外展開業務に限られる。比較的単純な労働で働ける期間は限られ、ノウハウ蓄積にも限界がある。経済界の中では、中程度のスキルを持つ外国人に対し、国がもっと労働参加の門戸を広げてほしいとの声もある。

 政府の外国人労働者の受け入れは、経営者・研究者らの高度人材を除けば特定分野に絞ってきた。人手不足の深刻な農業などに広げているが、企業活動の実態を見ながら受け入れ議論を加速する必要がある。

(川手伊織)



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