日本国債、買う国は 海外勢が1割保有 1位は米、2位ベ ルギー、3位中国 2017/6/18 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「日本国債、買う国は 海外勢が1割保有 1位は米、2位ベルギー、3位中国」です。





 海外投資家の日本国債への投資が加速している。世界的に金利低下が進み、相対的に日本国債の魅力が上がったことなどが背景にある。残高約1000兆円のうち、2016年末の国債保有比率で海外勢は1割となり、およそ2割となっている日本の銀行の保有比率に迫る。買い手を国別でみると、米国が不動の1位だが、中国と中欧の存在感が目を引く。

 財務省が5月末に公表した「証券投資残高地域別統計(負債)」で、国債を中心とする「債券(中長期債)」をどの国がどれだけ保有していたかを調べた。国別の順位で1位は米国の16.7兆円。前年末からわずかに増えた。2位はベルギーで9.3兆円、3位は中国で8.4兆円だった。

 ベルギーでは、ベルギー人がさかんに売買しているわけではないようだ。各国の国債などの取引や決済を手掛ける欧州最大の国際証券決済機関「ユーロクリア」が本拠を置き、投資家に代わって有価証券の売買などを代行する資産管理銀行(カストディアン)の拠点が多いのが影響している。

 外資系銀行の担当者は「ベルギーを経由して、複数の国の国債に分散投資している欧州の様々な国の資金、新興国の外貨準備、資源国のオイルマネーなどが流入していると推測される」とみる。

 4位以下のルクセンブルク、英国、シンガポールも国際的な金融センター。ベルギーと同じく多くの国の資金の経由地となっている。英国は15年まで米国に次ぐ2位だったが、欧州連合(EU)離脱に伴う混乱で順位を落とした。

 一方、16年に大きく伸ばしたのが中国だ。保有額は1年前となる15年末比の4.9兆円から1.7倍に増えた。海外保有額に占める比率も前年の6.8%から10.2%に上昇した。

 日本国債に投資する中国の主体は誰か。投資家名を示す統計はないが、市場関係者は「中国政府や中国人民銀行などの公的機関の割合が高い」(証券会社)とみる。目的は外貨準備の運用だ。中国は通貨防衛のために保有するドルを様々な形で運用している。その有力な運用先の一つが日本国債というわけだ。

 日本では昨年、邦銀などのドル需要が急拡大し、ドルを持つ主体が邦銀にドルを一定期間貸し出すだけで大幅な上乗せ金利が得られる状況となっていた。中国や他の新興国が外貨準備のドルを米国債の形で持つより、いったん円に替えて日本国債で運用したほうが高金利を得られたのだ。

 海外投資家による日本国債の保有増は日本にとってどういう意味があるのか。前向きにとらえるとすれば、国債の安定消化への貢献だが、マイナス面もある。海外保有が増えると、海外の金融・経済情勢に左右され、金利が乱高下しやすくなるとの指摘もある。

 米国の利上げでドル高が進む局面では、新興国は自国の通貨が安くなる影響を和らげるために自国通貨買い・ドル売り介入を実施する。外貨準備のドルの運用先として保有していた日本国債の取り崩しが増えれば、日本にも金利上昇などの形で影響する可能性がある。

 海外勢の保有が増えたとはいえ、日本国債はなお9割が国内保有。だが、国内も金融緩和で国債を大量に買い入れる日銀の割合が4割に達し、かつて国債の安定消化を助けていた国内金融機関の影は薄くなっている。日銀は永遠に国債を買い続けるわけではない。日銀と海外勢の存在感が増す現在の市場は潜在的な危うさをはらんでいる。

(浜美佐)



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です