日米、豪印との連携へ 対中国「けん制」「協力」使い分け インド太平洋戦略 2017/11/7 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の政治面にある「日米、豪印との連携へ 対中国「けん制」「協力」使い分け インド太平洋戦略」です。





 安倍晋三首相とトランプ米大統領は6日の首脳会談で、アジア・アフリカ地域の安定と成長をめざす「自由で開かれたインド太平洋戦略」の推進で一致した。オーストラリアやインドを加えた4カ国の連携を軸に、自由貿易や安全保障で同地域に関与する枠組みづくりを狙う。軍事・経済両面で台頭する中国には「けん制」と「協力」の2つの姿勢を使い分ける考えだ。

 安倍、トランプ両氏は首脳会談後の共同記者会見で「インド太平洋」の重要さをそろって説いた。首相は「海洋秩序の維持、強化は地域の平和と繁栄にとって死活的に重要だ。日米が主導的な役割を果たしていく」と指摘。トランプ氏は「貿易を改善し、軍事的な問題を解決するたくさんの課題がある」と強調した。

 日本側の説明によると、会談では(1)基本的価値の普及(2)経済的繁栄を追求(3)平和と安定の確保――を戦略の3本柱とする方針も確認した。豪印をはじめ自由貿易や民主主義の価値観をともにする東南アジア諸国連合(ASEAN)などを巻き込み推進する。

 インド太平洋戦略は2016年に首相が打ち出した。日米がいまこれを共有する背景には、米国の存在感がアジアで低下している現状がある。

 トランプ政権が離脱表明した環太平洋経済連携協定(TPP)には日米が通商ルールづくりを主導する狙いがあった。南シナ海の軍事拠点化を進める中国に対抗して「航行の自由作戦」は展開するが、経済を含む体系的なアジア関与戦略は示していない。

 日米は存在感を増す中国を意識しつつ、その距離感には神経を使っている。日本政府は中国を念頭に「特定の国を対象にした戦略ではない」との公式見解も発表した。

 「中国包囲網」と受け止められたくない事情もある。豊富な資金を背景にした中国の広域経済圏構想「一帯一路」はアジアに浸透している。経済、安全保障で深く関わるASEANにとって、中国は「対抗」すべき国ではない。経済面で結びつきの強いオーストラリアや、国境地帯で紛争を抱えるインドも中国とは微妙な間合いをはかりながら外交を展開している。

 南シナ海の海洋秩序やルール変更に挑む行為はけん制しつつ、経済では共存をはかる姿勢のさじ加減が課題となる。



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