日銀総裁、一段と強調 物価2%「思い切って対応」 日本経済「今年は正念場」 2016/01/05 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「日銀総裁、一段と強調 物価2%「思い切って対応」 日本経済「今年は正念場」」です。





 日銀の黒田東彦総裁は4日、都内で開いた生命保険協会の新年の会合で金融政策について「必要と判断すれば、さらに思い切った対応を取る」と述べた。今年は「日本経済にとって、まさに正念場」と指摘。生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)上昇率がゼロ%近くで低迷するなかで「できることは何でもやり、(目標である)2%の物価上昇は必ず実現する」と強調した。

 日銀は昨年12月18日に量的・質的金融緩和の補完策を決めた。だが金融緩和を円滑に実施するための技術的な変更だったことで、デフレ脱却に向けた追加金融緩和の実施を予想していた市場参加者の一部から失望感が出ていた。この日の会合で「思い切った対応」と踏み込んだ表現を使った背景には「日銀はこれ以上緩和できない」との緩和限界説を払拭する狙いもありそうだ。

 総裁は昨年11月以降、追加緩和の可能性を排除しないとの発言を続けている。昨年10月に追加緩和を見送ったことに対して「日銀は物価2%目標の達成に本気でない」との見方が浮上したことがきっかけだ。「まず行動すべきは日銀だ」(11月30日)などと強調し、追加緩和観測のつなぎ留めに腐心してきた。

 総裁が積極的な発言を繰り返す背景には、緩和観測が薄らげば、4年間続いた円安・株高の流れにブレーキがかかり、デフレ脱却が難しくなるとの危機感もある。「動く日銀」をアピールすることで、企業に設備投資や賃上げを促したいという本音も透ける。

 総裁は今のところ物価の基調が「着実に回復してきている」とみているが、日銀内では中国など新興国経済の減速への警戒感が強い。リスクがひとたび表面化すれば「追加緩和に動かざるを得ない」(幹部)との意識もあるようだ。

 仮に2%の物価上昇率が実現すれば、長期金利が上昇し、大量の国債を保有する金融機関の損失が膨らむ可能性もある。総裁は「(物価2%を)前提に、ぜひ運用面でも知恵を絞っていただきたい」と指摘し、国債に偏重する運用姿勢に警鐘を鳴らした。

 日銀は現在も市場に大量の資金を供給する目的で、年80兆円ずつ国債を買い増している。市場に出回る国債が次第に減るなかで、生命保険会社などが国債を積極売却すれば、日銀は金融緩和を続けやすくなる。



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