日銀総裁「経済は良い方向とハッキリ言える」 2016/12/29 本日の 日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「日銀総裁「経済は良い方向とハッキリ言える」」です。





 異次元緩和から3年半。日銀の黒田東彦総裁が日本経済新聞のインタビューに応じ、世界経済と金融政策の今とこれからを語った。

 「世界経済全体が良い方向に向かっていることがかなりはっきりしてきた」。まず来年の経済情勢について、こう切り出した。中国経済の減速懸念や英国の欧州連合(EU)離脱決定で市場が動揺した2016年前半。それが一変。「米国経済は非常にしっかりしているうえ、新興国経済も成長が緩やかに加速しつつある。悲観論は完全に転換した」。円安・株高の追い風が吹いた3年半前の自信が戻ってきた。

 11月の米大統領選のトランプ氏勝利で再加速した円安・株高。「積極的な財政政策への期待で市場はリスクオンになっている。日本経済にとって非常にプラスになる」と評価したが、市場のトランプ・リスクが消えたわけではない。トランプ氏に保護主義への懸念が付いて回ることには「不確実性が残るのは事実だが、個人的には世界が保護主義に傾いてしまうと思っていない」と力を込めた。

 語り口が少し慎重になったのが政策目標に置く物価の見通しだ。米大統領選後初めてになる17年1月の経済・物価見通しについては「具体的に成長率や上昇率がどんな見通しになるかは金融政策決定会合でみんなで議論することだ」と多くを語らなかった。

 安倍晋三首相は26日、政権発足4年にあたって「デフレではないという状況をつくり出した」と胸を張ったが、首相の言葉を慎重に置き換えた。「持続的に下落するデフレ状態ではなくなったが、デフレに戻る可能性がない状態とは言えない。まだ2%の物価目標を実現できる状況になっていない」と率直に認めた。

 金融政策はどう進めるのか。金融緩和について「必要があれば、まだまだやれることはある」と強調。日銀が9月の総括的な検証で金融政策の操作目標を資金供給量から金利に移したことで市場に量の効果に対する限界論もくすぶるが「手法は変わったが、実質金利を引き下げて経済にプラスの影響を与え、最終的に2%目標を実現していくという考え方自体は変わっていない」と突っぱねた。

 総裁は構造改革についても言及した。目を付けたのは働き方改革だ。「生産年齢人口が年100万人近く減ってしまうなかで2%の成長率を持続的に達成するには女性や外国人の活躍が不可欠」と指摘。新産業の創造についても「日本は基礎技術も応用技術も持っているが、ビジネスに活用され、成長率を引き上げることには十分つながっていない」と課題を挙げた。

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