星のやモデルアジアへ 初の海外、バリで宿泊施設開業 2017/1/2 1 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「星のやモデルアジアへ 初の海外、バリで宿泊施設開業 」です。





 星野リゾート(長野県軽井沢町)は20日、インドネシアのバリ島で新宿泊施設「星のやバリ」を開業した。「星のや」ブランドでは初の海外進出。スタッフ一人ひとりが清掃やフロントなど複数業務をこなし、自ら新しいサービスを生み出す。国内で培った高収益のビジネスモデルがアジアを舞台に進化する。

 木々に囲まれ、インドネシアの打楽器合奏「ガムラン」の音色が響く――。星のやバリのスタッフは現地の民俗衣装風の制服を着て、宿泊客を出迎えた。場所はバリの国際空港から車で約70分のウブド。周囲は観光開発が進んでおらず、多くの集落がある。総支配人を務める伊藤靖兼氏は「星のやバリも一つの集落のように進化していきたい」と語った。

 料金は1泊1室900万ルピア(約7万7千円)から。別荘風の客室が30室。運河を模したプールに直接入れる構造だ。現地の文化や暮らしを体験できるツアーも提供する。

 星野リゾートは日本でいち早く、資産を持たずに運営に特化する欧米の手法を導入し、いまは国内35カ所で施設を運営する。日本は不動産所有と運営の両方を手がけるホテルが中心。星野佳路代表は「資産を所有しないことでスピード感が生まれる」と話す。

 星野リゾートの強みは1人で複数業務をこなす「マルチタスク」の仕組みだ。通常のホテルは1つの仕事に専念するが、星野リゾートのスタッフはチームを組んで日によってフロントや清掃など担当する仕事が変わる。

 これを可能にするのはロールプレイング研修だ。宿泊者一人ひとりの好みに合うサービスを提供できるように、スタッフが模擬演習する。マニュアルに頼らず、自ら考えて動く人材を育てる。

 マルチタスクで「気づき」を得る機会が増え、顧客目線のサービス提供につながる。星野代表は「スタッフはクリエーターだ」と言い切る。各施設で季節ごとに地域特性に合ったプランを提供しているが、現地スタッフの提案がベースだ。

 星野リゾートはバリ進出前にタヒチで既存施設の運営を受託。日本で磨いた接客手法を実践し、海外で通用すると確信した。バリでは日本と同様の研修を受けた現地スタッフが、信仰に使う供え物「チャナン」の手作り体験プランを考えた。

 星野リゾートが運営する施設の取扱高は2015年に441億円だった。「GOP」と呼ぶホテルの代表的な収益指標の比率で、軽井沢の星のやは、都市部のホテルの水準を10ポイント以上上回っているとみられる。

 米系調査会社J・D・パワーアジア・パシフィックが実施した16年の日本ホテル宿泊客満足度調査によると、1泊3万5千円以上の部門で帝国ホテル、ザ・リッツ・カールトンに次ぎ、星のやは3番目の高評価だった。効率運営とサービス開発力が集客力向上につながる好循環ができた。今後は異文化の海外でその力が試される。星野代表は「3~5年間で海外に数件の施設を出したい」と意気込む。(清水孝輔)



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