月曜経済観測 もたつく景気、住宅需要は 都心マンション軸に堅調 三菱地所社長 杉山博孝氏 2016/05/09 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「月曜経済観測 もたつく景気、住宅需要は 都心マンション軸に堅調 三菱地所社長 杉山博孝氏」です。





 個人消費が振るわず景気回復が足踏みを続けるなか、住宅投資は今後のけん引役として期待できるのか。三菱地所の杉山博孝社長に聞いた。

資源安が影響

 ――景気の現状は。

 「年初思っていたより芳しくない。円高・株安や、原油をはじめとする資源安が企業業績に影響してきているのかなと思う」

 ――海外経済は心配ではありませんか。

 「米国の不動産ビジネスは堅調だ。欧州もロンドンを中心にビジネスを広げたいが、英国が欧州連合(EU)から出るか、出ないかは一つの懸念材料だ」

 ――このところ国内の住宅着工の動きは持ち直しつつあります。

 「昨年1年間の住宅着工戸数は前年を上回り、底堅いものがある。今年も堅調にいく見込みだ」

 ――マンション販売価格の上昇が、かえって需要を冷やしませんか。

 「上がっているのは間違いないが、住宅価格の平均値のことだ。たとえば団塊の世代が夫婦二人になって都心生活を楽しみたいということで、都心部の物件への需要が多くなっている。若い人も共働きが当たり前になり、湾岸部のマンションを夫婦で購入している」

 「どうしても都心は物件価格が高くなるので平均価格はいかにも上がっているように見えるが、住宅を初めて取得する人が求める郊外のマンション価格はそんなに上がっていない」

 ――来年4月に消費税率が10%になると、その前の駆け込み需要とその後の反動が気になりませんか。

 「前回の8%時に駆け込み需要は若干あったが、政府が住宅ローン減税などで手を打ったのであまり影響はなかった。今回も大きな影響はないと思うが、住宅投資は日本経済全体にとっても重要なので何らかの追加策は政府に要望したい」

消費増税は必要

 ――10%への消費増税は予定通りやるべきですか。

 「国際的な日本の信認を得るという意味でも、消費税を上げることは必要だ。そのタイミングは安倍晋三首相が状況をみながら的確に判断するだろうが、財政の健全化を考えると増税を避けてはいけない」

 ――日銀のマイナス金利政策による住宅市場への影響はありますか。

 「マイナス金利の導入は総じていえばプラスに働くと思う。ただ、かなりの低金利が続いていたので、これで一挙に新規の住宅購入者が増えるかどうか、現時点で見極めはできない」

 ――外国企業の動向をどうみていますか。

 「東京・大手町に海外から日本に進出する企業の手助けをする施設をオープンしたが、入居する半分以上が海外の企業だ。米国のIT(情報技術)系からすると『これだけ質の高い人口1億人の市場は他にない』と新ビジネスを日本で成長させたいという。海外の魅力的な企業をどれだけ連れてこれるか、官民一体で取り組まなくてはならない」

 ――熊本地震をどうみましたか。

 「本当に深刻だ。ある程度の震度の地震が1回では大丈夫だったとしても、それが何回か来ることによって建物が崩れているようなことがあった。我々も深刻に考えないといけない」

(聞き手は編集委員 瀬能繁)

 すぎやま・ひろたか 東京・丸の内から開発エリアをさらに拡大。66歳。



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