月曜経済観測 タイヤから見た世界景気 米が主導、アジアは減速 ブリヂストンCEO 津谷正明氏 2015/06/22 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「月曜経済観測 タイヤから見た世界景気 米が主導、アジアは減速 ブリヂストンCEO 津谷正明氏」です。

「トラック用の買い替えタイヤの需要」、これは景気動向を把握するときに用いられる先行指数でも遅行指数でもなく、一致指数のように感じます。





 中国などの新興国を中心に世界景気の減速感が強まっている。ブリヂストンの津谷正明最高経営責任者(CEO)にタイヤ市場からみる景気動向を聞いた。

 ――自動車販売など中国の成長力が鈍っています。

 「タイヤ市場から景気の先行きを読むときは、トラック用の買い替えタイヤの需要をみる。物流など経済活動の変化を敏感に映すからだ。中国の買い替え需要は昨年減少に転じ、今年もほぼ横ばいの見込みだ」

中国も量より質

 ――中国経済は深刻な状況にあるのでしょうか。

 「中国経済は政策の影響を大きくうける。習近平政権は量から質への転換を進めている。今後は人口の高齢化が進み、量による経済成長は見込みにくくなるからだ。中国の富裕層や若い世代は情報に敏感で環境への意識も高い。当社製品でも環境に配慮したタイヤの売れ行きが予想以上だ」

 「中国にかぎらず、富裕層の消費は力強い。旅行需要は拡大し、それが世界の航空機向けタイヤ需要の伸びに結びついている。旅客や航空機には原油価格の下落も恩恵になる」

 ――中国以外の新興国経済も減速が鮮明です。

 「タイは政局混迷の影響が尾を引き、農産物市況の低迷も景気の下押し圧力だ。インドネシアは道路などインフラの脆弱さが成長を阻害し、ブラジルでは汚職問題も影を落とす。新興国で好調なのはインド、メキシコくらいだ。新興国経済は過熱が収まり、適度な成長に鈍化した」

 ――世界経済はどこがけん引するのでしょうか。

 「米国が先導し、先進国がけん引する局面に変わった。天候不順や港湾ストの影響で想定より遅れているものの、新車販売の伸びなどをみれば米国経済の回復は進むだろう。日本のタイヤ市場はトラックや建機向けが好調だ。ギリシャ問題などの不安は残るが、欧州も回復傾向にある」

 ――米国景気にはドル高の影響を懸念する見方もあります。

 「ドル高を懸念する声は大統領選などを意識した政治的な思惑があるのではないか。輸出企業には逆風かもしれないが、ドル高は米国経済の力強さの反映であり、失速は考えにくい。米国が政策金利を引き上げられる環境になることは米国だけでなく、世界経済にとってプラスだ」

地産地消変えず

 ――国内では円安で製造業が回帰するとの期待が出ています。

 「当社は地域ごとに製造・販売拠点を置く地産地消を進めており、円安になっても戦略は変わらない。輸出はコストがかかり、貿易摩擦にもつながる。生産設備を日本に戻すことが長期的な競争力につながるとは思えない」

 ――日本の競争力はどこにあると考えますか。

 「自分の仕事をきちんとやる緻密さや、人手の足りない工場にすぐに人員を移動できる柔軟性は日本人だけの強みだ。研究開発や基幹工場として国内拠点は残る。一方、イタリア人などは他人と違う大胆な発想を主張し、米国人は全体のシステムを合理的に考える。それぞれの弱点を補い特長をいかしながら、活気を高めるのがグローバル企業経営のめざすところだ」

(聞き手は

編集委員 志田富雄)

 つや・まさあき 2008年からタイヤ市場で世界1位の座を維持する。63歳

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