月曜経済観測 トランプ財政の効果は 景気刺激、成果は期 待薄前CEA委員長ジェイソン・ファーマン氏 2017/4/24 本日の日本経 済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「月曜経済観測 トランプ財政の効果は 景気刺激、成果は期待薄前CEA委員長ジェイソン・ファーマン氏」です。





 トランプ米政権が29日、発足から100日の節目を迎える。看板公約の減税やインフラ投資で米経済を底上げし、継続的な利上げの影響を吸収できるのか。オバマ前政権で米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたジェイソン・ファーマン氏に聞いた。

市場が先走り

 ――米経済の底堅い回復が続いています。

 「2017年から18年にかけて、2%程度の実質成長率を維持できる。トランプ政権の財政出動や規制緩和に対する期待が大いなる楽観をもたらしており、その効果で成長率がもう少し高まるかもしれない。だが減税やインフラ投資が動き出したわけではなく、個人や企業の心理がこれほど改善する根拠は乏しい」

 ――市場の期待が先走っているのでしょうか。

 「いまの株価は想定レンジの上限に近い。米経済を覆う楽観だけでなく、世界経済の好転も反映している。バブルの膨張や崩壊を懸念するような状況ではないが、減税やインフラ投資への期待が失望に変わった時の反応は心配だ」

 ――公約通りの財政出動に踏み切れば、米経済を底上げできますか。

 「目覚ましい成果は望めないだろう。完全雇用に近い状態で財政出動に走れば、物価の上昇といった弊害の方が大きくなりかねない。米連邦準備理事会(FRB)の利上げが続くので、景気刺激効果が相殺される。4%の成長という公約は現実を無視している」

単純な減税危険

 ――賢い財政出動ならば、潜在成長率を押し上げるとの見方もあります。

 「米国の潜在成長率は2%近辺まで落ち込んでいる。あるいはもっと低いかもしれない。金融危機の後遺症に高齢化の進展や技術革新の停滞などが重なって、生産性や労働力が伸び悩んでいるのが大きい」

 「法人税の税率を引き下げる代わりに課税ベースを広げるような税制改革なら、ある程度は潜在成長率を押し上げるだろう。しかし単純な減税は財政赤字を膨らませ、米経済をむしろ傷つける恐れがある。インフラ投資も財源を確保できるかどうかが問題だ」

 ――不安なのは保護貿易や移民排斥の公約です。

 「通商問題を巡る中国や日本などへの批判は和らぎつつあるが、過激な公約を実行して貿易戦争の扉を開く可能性は排除できない。米経済だけでなく世界経済にとっても、確かに深刻な下振れリスクだ」

 「米国は移民を受け入れて労働力を補うことで、高齢化の影響を抑えてきた。日本などとは違うこうした強みを維持できるかどうかが問われている」

 ――FRBは利上げのペースを加速しますか。

 「今年はあと2回の利上げが想定される。6月と9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で決めると思う。場合によっては3回に増えるかもしれない。金融危機後の量的緩和で購入した保有資産の圧縮を、年内に始める可能性も残る」

 「来年はさらに3~4回の利上げに動くだろう。それでも過去の引き締めよりは緩やかで、2%程度の成長は十分に可能だ。金利やドルの上昇で米経済が減速するようなら、ペースをもっと落とせばいい」

(聞き手はワシントン支局長 小竹洋之)

 Jason Furman 現在は米ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー。46歳



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