月曜経済観測 ヘルスケア産業と世界 医療や健康確かな需 要 ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長日色保氏 2016/12/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「月曜経済観測 ヘルスケア産業と世界 医療や健康確かな需要 ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長日色保氏」です。





 不透明感が増す世界経済。景気の波の影響を受けにくいとされるヘルスケア産業からはどう見えるのか。米国を中心に世界各国で健康関連日用品や医療機器の製造販売を手掛けるジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)日本法人の日色保社長に聞いた。

米経済のけん引役

 ――世界景気の現状をどうみますか。

 「中国をはじめ新興国の下振れが懸念されるが、全体的には底堅いと認識している。ただし先行きは非常に見通しづらい。英国の欧州連合(EU)離脱も米大統領にトランプ氏が選ばれることも予測できなかった。これから何が起きるかわからない不安があるのは事実だ」

 ――好調な米国経済の変調もあるでしょうか。

 「米国には潜在力がある。それを支えているのは、なんといっても人だ。先進国の中で今もなお人口が増え続けていることは重要な要素だ。全体のパイが大きくなれば、成長も続く。また、多様性のある人材が集まることでイノベーションも起こる。この面でも米国は強く、基本的に経済は伸びていくのではないか」

 ――その米国でヘルスケア産業はどのような役割を果たしていますか。

 「米国経済を引っ張っているともいえる。米国全体が2%ぐらいの成長に対して、ヘルスケア産業は4~5%伸びている。トランプ次期大統領がどのような政策を打ち出そうとも、医療や健康に対しては確固たるニーズがある。また医療は人工知能(AI)やビッグデータを活用してイノベーションを起こしやすい分野でもある。これからも発展していくだろう」

 ――世界的なヘルスケア産業の展望は。

 「どの国でも、国全体の成長率よりヘルスケア産業の伸び率の方が高い。少し鈍化してきたとはいえ、今後も貪欲な成長を続けるであろう中国でも、あまり明るいシナリオが描けないEUにおいても、ヘルスケア産業は有望だ」

 ――日本はどうですか。

 「1%程度の日本の成長率に対して、ヘルスケア産業は3~4%伸びている。世界で最も進む人口の高齢化と、健康にまつわるニーズの多様化・高度化がその伸びを支えている。政府はヘルスケアを日本のリーディング産業と位置づけているが、その通りだ」

医療費減に工夫を

 ――日本では国民の過重な負担を避けるため、医療費の抑制が課題です。医療費抑制はヘルスケア産業にマイナスではないですか。

 「公的な医療保険制度を維持するためにも、医療費を抑えることは必要だ。しかしこのとき、一律カットのような手法をとるべきではない。患者が早く回復するといった価値のある医療技術にはお金を回し、効率的でなくなったところを削るメリハリが求められる」

 「日本の個人消費が伸びない原因の一つとして、医療や介護に対する将来不安があげられる。全体の費用を抑えつつも、優先順位をつけた適切な資源配分を実施すれば、医療や介護制度の持続可能性を高めて、国民不安の解消につながるのではないか。また、このような手法であれば、ヘルスケア産業の発展を阻害することもないだろう」

(聞き手は 編集委員 山口聡)

 ひいろ・たもつ 39歳でJ&Jグループ会社社長に。2012年から現職。51歳。



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