月曜経済観測 変わるインバウンド 「爆買い」の次はクルーズ エイチ・アイ・エス会長 沢田秀雄氏 2016/06/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「月曜経済観測 変わるインバウンド 「爆買い」の次はクルーズ エイチ・アイ・エス会長 沢田秀雄氏」です。





 増え続ける訪日外国人(インバウンド)の数。熊本地震や為替の円高はどう影響するのか。長崎県佐世保市のテーマパーク、ハウステンボス社長でもあるエイチ・アイ・エスの沢田秀雄会長に聞いた。

 ――熊本地震の影響はどうですか。

 「5、6月と九州全域で旅行者が減った。長崎県内でも韓国、台湾などからの人を見かけなくなった」

 「経験で言えば3カ月、遅くとも半年くらいで元の状態に戻るのではないか。余震や天候による部分もあるが、政府が九州旅行への補助金を決め、夏休みも控えるので7月中には観光客が戻り始めると思う」

中国内陸部からも

 ――円高も心配です。

 「為替は大きい。去年の好調は円安の追い風が続いたためだ。最近は元安が進み、日本での爆買いにも変化が出てきた。免税店で聞くといいが、売れ行きはがくっと落ちているはずだ」

 「中長期的にみて中国人旅行者が減るということはない。むしろ逆だ。これまでは上海など沿海部からの旅行者が多かった。今後は内陸部からもやってくる」

 ――けん引役はやはり中国人旅客ですか。

 「欧州からの旅行者も増えているが、数の上では中国人だろう。最近はクルーズ旅行の人気が高まっており、九州にも船がたくさん乗り入れている。地震前にはさばききれずに、入港を断る港もあった」

 「佐世保にも今度停泊することになった。2、3年したら年間100万人以上が船でやってくるようになる。買い物がしやすい、イメージが豪華、安心といったところが人気の秘密だ。私が長崎にやって来た2010年には一隻も来てなかった。大変な変化だ」

九州、秋には回復

 ――政府はインバウンドの数を東京五輪のある20年に年間4千万人まで増やしたいとしています。

 「訪日客は全体では勢いが続いているから今年も昨年を上回るだろう。これ以上地震被害がなければ九州も秋には完全に戻る」

 「3千万人だったら今建設中のホテルに民泊を合わせて何とかなるかもしれない。だが、4千万人となると今の2倍だからホテルや移動手段が足りない。飛行場の発着枠にも余裕がない。インフラがブレーキをかける懸念がある」

 ――民泊は旅行会社にどう影響しますか。

 「我々が民泊を売ることがあってもいい。きちっと対応していけば旅行会社の利用者が減ることはない。東京、京都、大阪ではそもそもホテルが足りない。問題は民泊そのものではなく、ルールだ。現状では使えるようでいて使えない」

 ――人工知能(AI)の研究に力を入れています。

 「旅行業界にもAIが入り込む日は近い。当社では近く実験が始まる。何がどこまで可能かは実験次第だが、予約などの店頭業務やコールセンターはAIで置き換わる可能性がある。不確かなことは言えないが、そう遠くない将来、画期的な変化が起きる」

 「雇用は大丈夫。(旅行の企画など)創造的な仕事は当面残るし、事業を世界規模で展開している。ホテルも経営している。もう半年か1年したら、正確な話ができるだろう」

(聞き手は編集委員 中山淳史)

 さわだ・ひでお 長崎と東京を毎週往復する。他企業とロボット開発も。65歳。



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