月曜経済観測 娯楽産業に少子化の逆風 高齢層に市場拡大余地 バンダイナムコHD会長 石川祝男氏 2015/11/02 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「月曜経済観測 娯楽産業に少子化の逆風 高齢層に市場拡大余地 バンダイナムコHD会長 石川祝男氏」です。





 日本経済の新たなけん引役を期待されるアニメやゲームなどのコンテンツ産業。国内では少子化の逆風をはねのけ、さらに海外市場を攻略できるか。バンダイナムコホールディングスの石川祝男会長に聞いた。

商品展開に工夫を

 ――国内のエンターテインメント(娯楽)需要は。

 「全体として堅調だ。経済動向に左右されにくい業界だが、それでも景気が冷え込むと、200~300円程度の玩具つき菓子やカプセル玩具の販売が減る。現在はそういう消費も悪くない。音楽ライブも好調だ。加えて、中国からの訪日客を中心にインバウンド効果が出てきた。キャラクター商品が大量に買われ、屋内型テーマパークもにぎわっている」

 ――少子化にはどう対応しますか。

 「子供のころアニメに夢中になったテレビ世代が世の中の大半になってきた。大人でもキャラクター商品やゲームの消費に抵抗がない。今の60代は人生を楽しもうとポジティブ思考の人が多く、娯楽を受け入れる素地がある」

 「高齢化をネガティブにとらえず、構造変化を見越した商品展開をすればいい。同じキャラクターでも子供にはプラモデル、上の年齢層には映像ソフトといった具合だ。商機は広がる

 ――長期の成長には海外事業の拡大が必要です。

 「2018年3月期までの中期計画ではアジアを集中的に攻める。日本人に好みが近く国内でのビシネス手法が通用するからだ。主力キャラクター『機動戦士ガンダム』は、香港やシンガポールでイベントを開くと商品がすぐ売り切れる。韓国では『妖怪ウォッチ』商品などが好調だ。3年でアジアの売上高を600億円に倍増させたい」

 「欧米も5年先を考えて手を打つ。海外事業は会社の足を引っ張る存在だったが、海外の頑張りが会社全体の業績を押し上げる傾向が強まってきた」

TPP効果読めず

 ――日本のコンテンツは海外で十分に稼げず、著作権の国際収支は赤字です。

 「漫画やアニメ、ゲームは人気に見合ったビジネスができていない。日本のコンテンツ市場が約12兆円であることから考えても、海外では2兆円や3兆円は稼げないとだめだ。現状はせいぜい数千億円だろう

 「いい作品をつくっても、それを流通させる構造が脆弱という問題がある。国内各社が協力し海外向けの動画配信や商品販売に取り組み出した。もがきながら活路を開くしかない」

 ――環太平洋経済連携協定(TPP)では海賊版対策など知的財産の保護が強化されます。追い風では。

 「著作権の保護期間が50年から70年になるなど、つくり手にとって悪い方向ではないが、効果はまだ読み切れない。不正コピーもTPPの12カ国以外でたくさん起きている」

 「海賊版は許せず、法的に闘うが、ゼロにするのは難しいとの前提で考えないといけない。ガンダムの場合、海賊版が出回るくらいなら本物を見てもらおうと4年前、アジアなどでアニメの無料配信を始めた。情報発信など地道な活動が今、イベントの集客や物販につながっている。そういう発想の転換が大切だ」

(聞き手は

編集委員 村山恵一)

 いしかわ・しゅくお ネットを生かした遊びの創出にも知恵を絞る。60歳。



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