月曜経済観測 底堅い経済、政治と別物 三菱重工・宮永社長に聞く 2014/09/01 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「月曜経済観測 底堅い経済、政治と別物 三菱重工・宮永社長に聞く」です。

世界が政治的に安定しなくとも、経済を中心にした相互依存が深まることで、究極のクライシスは避けられる、このような認識です。その前提に立って、経営トップとして投資判断をしているということでしょう。





 ウクライナ危機や中東情勢の不安定化、中国の台頭など世界各地で政治的な緊張が高まっているが、経営者は世界の政治と経済の先行きをどう見ているのか。三菱重工業の宮永俊一社長に、インフラ市場を中心に見通しを聞いた。

■相互依存は深く

 ――世界の政治的な緊張は経済にどんな影響を及ぼすでしょう。

 「私はあまり悲観していない。政治と経済を分けて考えるという知恵を世界が身につけつつあるのではないか。ロシアと米国やEU(欧州連合)はウクライナを巡って対立しているが、西側の資源メジャーがロシアへの投資を全面的に見直すような事態にはなっていない。米中や日中間にも政治的な緊張はあるが、経済面の結びつきや相互依存は着実に深まっている

 「仮に米国の金融緩和の終了などで世界経済が足踏みする事態になったとしても、各国政府は実質的な成長をめざして何らかの手を打ってくるだろう。一時は減速が心配された中国経済も落ち着きを取り戻した。タイも一服している。エボラ出血熱のような予期せぬリスクは今後も生じるだろうが、世界経済は底堅いと思う」

■飛躍の土台に

 ――その中でインフラ市場の見通しは。

 「例えば発電用のインフラ市場は世界で10兆円規模だが、今後も年間数%のペースで着実に成長すると見ている。米国ではシェールガス革命によって、ガス火力発電の需要が伸びる。当社は2年前にジョージア州にガスタービン工場を新設し、供給体制を整えた」

 「原子力発電についても東欧やトルコ、ブラジル、中東で導入の検討が進んでおり、今後もかなりのレベルで需要が継続するだろう。当社にもいろいろ話があり、提携相手の仏アレバとも相談しながら対応したい。福島事故の教訓を踏まえ、安全性向上のための技術開発も重要だ」

 ――重電市場では、仏アルストムをめぐって買収合戦が起こり、三菱重工も参戦しました。

 「最後は米ゼネラル・エレクトリックがアルストムを部分買収することになり、独シーメンスと組んだ私たちの提案は退けられた。結果は残念だったが、成果もあった。買収に名乗りを上げたことで当社の世界的な存在感が高まり、M&A(合併・買収)情報も以前よりはるかにたくさん入ってくるようになった。従来の殻を破って、次に飛躍するための土台ができたと思う。今後も必要ならM&Aに取り組む」

 ――日本経済の先行きはどうでしょう。

 「4~6月期の国内総生産(GDP)は落ち込んだが、7~9月期は戻ると予測している。人々の所得が上がってくれば、日本経済は堅調を続けるだろう」

 ――円安なのに輸出が伸びません。

 「円が多少下がったからといって、昔と同じ商品や技術がどんどん輸出できるようになるわけではない。それより各企業が自分の強みを磨いて、世界に通用する製品やサービスを新たに育てるのが大切だ。例えば当社は17年に小型ジェット機『MRJ』を投入するが、そうなれば日本からの輸出はかなり増えるはずだ」

(聞き手は編集委員 西條都夫)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です